受け入れ合う文化が根付いているから、自分らしく自信を持って働ける(前半:BWC)
2021年10月13日
*本稿は水嶋 レモン氏がDiversity works向けに執筆し、ブルームバーグは掲載許可を得ています。
アメリカに本社を置き、世界の金融経済に関するニュースやマーケットデータなどの金融情報を発信する、大手総合情報サービス会社、ブルームバーグL.P.。同社ではダイバーシティとインクルージョン(以下、D&I)を、全社員が自分らしく働くための行動規範に定めています。多様な人材を包括する“インクルージョン”のメッセージを広めるために大きく貢献しているのが、社員たちが自発的に参加し、作りあげている「ブルームバーグ コミュニティ」という文化。今回は東京オフィスで働きながらコミュニティ活動にも尽力する、岡本百合さんとト・カイさんのお二人に同社やD&Iに対する想いの原点と、昨今の活動について話を伺いました。

東京都出身。高校進学時にカナダへ留学し、大学卒業後の2013年にブルームバーグへ入社。アナリティクス、セールス部門を経験し、現在はアナリティクス部門のチームリーダーを担当。入社当初から「ブルームバーグ ウーマンズ コミュニティ」(BWC)の活動に参加し、2020年より東京オフィスの共同リーダーとして、社内の女性活躍推進を中心としたD&I活動に関わる。
誰にでも分け隔てなく接する社員の姿勢に強く惹かれた
新卒で入社し、今年で8年目。岡本さんがブルームバーグを志望した理由のひとつは、グローバルな環境で多様な文化を持つ同僚と一緒に働きたいと思ったこと。そう考えるようになったのは、高校・大学時代をカナダで過ごし、文化の多様性に触れたことが大きいそうです。就活時に何よりも重視したのは、D&Iを大切にしている環境であること。その背景には、シングルマザーで自分を育ててくれたお母さんの影響があるそうです。
岡本さん「昔は今よりもシングルマザーが珍しかったこともあり、子供のころから母が職場と家庭の両立で苦労しながら働く背中を見てきました。当時から感じていた、「性別や立場などのバックグラウンドにとらわれず、自分らしく働けたらいいのに」という想いは、現在取り組んでいる社内コミュニティ活動にも繋がっています」
そんな岡本さんがブルームバーグへの就職を志したのは、大学時代にとある企業でインターンをしていた時。同社の社員と交わした何気ないやり取りからD&Iを大切にする企業文化に触れ、感銘を受けたことにあるといいます。
岡本さん「その企業にはブルームバーグの営業の方が頻繁に来社していたのですが、みなさん何の権限もない、ただのインターンである私にもよく話しかけてくれていたんです。「インターンのお仕事は大丈夫ですか?」、「ブルームバーグの商品はちゃんと使えていますか?」と、分け隔てなく気にかけてくれることがすごく嬉しくて。こんな人たちがいる会社なら私も働きたいと強く思うようになりました」
しかし当時は、「正直なところ、誰もが働きやすい会社なんて存在しないだろうなと思っていたんです(笑)」という岡本さん。半信半疑な部分もあっただけに、実際にブルームバーグに入社してからは、いい意味で驚きの連続だったといいます。
岡本さん「一番は、本当にバックグラウンドで人を判断しないんだ!ということですね。当社では「あなたは一年目だから」、「LGBTQだから」、「女性だから」などに関係なく、いいアイデアがあれば誰もが考えを発信できるんです。しかも上司や先輩をはじめとする周りの人たちにフィードバックもしてもらえる。こんな環境はなかなかないじゃないですか。私自身も入社当初から自分らしく働くことができて、すごく嬉しかったですね」
恵まれている環境で働ける”という喜びをもっと多くの人に伝えたい。このこともD&Iの活動に積極的にかかわっていこうという、想いの原動力になっているといいます。
岡本さん「BWCやBPROUDなどの社内コミュニティでの活動を通して、社内風土にD&Iをより深く浸透させ、D&Iの思いを後輩たちにどんどんつなげていきたいです」
「キャリアを応援=出世がすべて」ではない
現在はアナリティクス(カスタマーサポート)の部署でチームリーダーを務める一方で、2020年からはブルームバーグ ウーマンズコミュニティ(BWC)の共同代表としても活動。業務外の空き時間を利用し、東京のオフィスをもっと働きやすくするためのアイデアを話し合ったり、リモートでセッションを行ったりするなど、女性活躍推進についての取り組みを進めています。
岡本さん「有志のボランティアベースで活動しているコミュニティなので、具体的なゴールはないのですが、メンバー内での目標は定めています。そのひとつがキャリアを応援することです。昇進することがすべてという意味ではありません。重視しているのは、女性にとってもっと働きやすい環境を整えていくためにはどうすればいいか、という部分です。
社員一人ひとりが、最大限に能力を発揮できる職場
次にフォーカスしているのが、社内のネットワークづくり。同じオフィスの人となかなか話せないコロナ禍において、「どうやったらブルームバーグらしい社風や社内文化を保っていけるのか?」など、自分たちに貢献できることを考えています。それからBWCだけの課題ではないのですが、近年では社員のみなさんが自分らしく働き続けるためのメンタルヘルスケアについても、非常に重要視しています」
近年の取り組みで強く印象に残っているのは、一般的にマイノリティとして過小評価されているグループに属する社員に人材育成の機会を提供する「GOAL 1.0」というプロジェクト。同プロジェクト名のゴール“GOAL”は、「グロース(成長)、オポチュニティ(機会)、アクセス(繋ぐ)、リーダーシップ」の頭文字をとってつけられたそうです。
岡本さん「例えば、女性社員を対象に開始したプログラムの場合は、キャリアを築いていくうえで必要なプロフェッショナルとしての自信を育て、自分のキャリアの夢や目標に向かって進んでいける環境を作ることを目的にしています。そのうえでも欠かせないのが、先ほどお伝えした社内ネットワークの拡充です。この取り組みでは、参加者が各自の目標達成のため自分に適したメンターを社内で見つけたり、仲間と対話したりするための基盤を作っています」
各地域のローカル人材の育成を目的とした「ローカル人材育成プログラム」にも力を入れていることのひとつ。
岡本さん「アジアやヨーロッパというくくりの中でも、地域ごとに文化などのニュアンスが微妙に違うんです。それに紐づく課題を理解しあうことも、グローバルな環境で自分らしく働くために必要なことだと捉えています。日本のオフィスでも異なる国籍やバックグラウンドを持つ同僚同士で、それぞれの経験と課題、様々な文化的背景を学びあえる方法を模索しています。この取り組みがお互いを理解する機会に繋げていけたら嬉しいです」
最後に、理想の生き方を軸に仕事を選びたいZ世代に向けてメッセージをいただきました。
岡本さん「私自身、就活をしているころは不安でいっぱいでした。面接官に好かれなかったら、オファーされなかったらどうしよう?、うまく入社できても仕事や環境になじめなかったらどうしよう?と。でも、今となっては、「なるようになるから大丈夫」と、当時の自分に言ってあげたいです(笑)。もし、面接に落ちたり、環境になじめないときは、自身の成長の機会としてとらえてみてください。決して、「自分はダメなんだ」と思わないでほしいです。
自分らしく思ったことを正直に伝えながら、すべての人に好かれるというのは難しいですし、合わない環境があるのも当然です。そこで無理をするくらいなら、自分に合う職場や環境をどんどん探してみてください。自分がどのような職場で働きたいかわからない場合は、志望する企業を含め、いろいろな会社の人と話してみてください。少しずつかもしれませんが、きっと自分にしっくりくるイメージがつかめてくると思います」