ブルームバーグ コミュニティ活動

障がいへの理解を深める目的の3つの社内イベント

2021年3月25日

障がい者の社会参加をより一層促進するため国連が定めた12月3日の「国際障害者デー」に合わせて、ブルームバーグ東京オフィスのAbilities Communityでは、障がいへの理解を深めるとともに、職場をよりインクルーシブなものにしていくことを目的として、3つのイベントを開催しました。視覚障がいや発達障がいを乗り越えて活躍する方々のパフォーマンスやプレゼンテーション、トークセッションのほか、慶應義塾大学の学生さんとともに、障がい者と健常者がともに楽しめるオンラインイベントを実施しました。

The Japanese Harp (Koto) and One Man’s Vision Over Vision
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箏の演奏とトークセッション:視覚障がいを乗り越えたその先へ

1つ目のイベントでは、視覚障がいに対する理解を深め、また、日本の文化を広く知ってもらうきっかけ作りの一助にと、生田流箏奏者で視覚障がいを持つ澤村 祐司さん、そして二十五弦の箏奏者として世界各国で活躍されている中井 智弥さんのお二人をゲストに、パフォーマンスとトークセッションを行いました。日本の伝統的な楽器の演奏をアジア太平洋地域の社員にも発信することで、文化の相互理解を通じたダイバーシティ&インクルージョンの推進も目指しています。

障がいがあるからこその強みや可能性
トークセッションで澤村さんは、視覚障がいのために向き合わなければならなかった日々のチャレンジや、ひとりの職業人として自立するまでの道のり、また、障がいがあるからこその強みや可能性について、演奏家としての視点から率直に話してくれました。さらに点字の楽譜の紹介とその重要性について、また新しい楽曲を習得する際の取り組み方など、お話しいただきました。

二十五弦の箏の作曲家および奏者として世界各国を舞台に活躍する中井さんは、他の箏より音域が広く、さまざまなジャンルの楽曲に挑戦できる二十五弦の魅力について、そして独特の作曲プロセスなどを教えてくださいました。

お二人にはトークセッションを交えながらポップス、古典音楽、クラシックと幅広いジャンルの楽曲を演奏していただき、その素晴らしいパフォーマンスに「音色を聞いてすぐに自然と涙があふれました。心が洗われるような素晴らしい演奏でした」「私も家族も澤村さんのファンで、昨年もコンサートに行きました。また澤村さんの演奏をきくことがうれしいです」と多くのコメントが寄せられました。

箏を始めたきっかけについて、澤村さんは、「日本の音の素晴らしさに気づいたことだった」と述べています。視覚障がいへの理解を深めるだけでなく、日本の伝統文化の奥深さや柔軟性に触れることができた今回のイベントは、アジア太平洋地域全域の社員にとっても得がたい体験になったようです。終了後、「このような素晴らしいイベントをもっと開催してほしい」とのメッセージが日本だけでなく海外からも多く寄せられました。

“The Ability in Disability” – A Personal Journey 発達障がいの特性をプラスに変えて生きる

2020年国際障害者デー2つ目のイベントでは、ADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)という発達障がいを持ちつつ、それを自分の特性として生かしながら働く社員によるプレゼンテーションと彼を採用した当時のマネジャー、ミシャ・モルガンさんによる対談を行いました。このイベントは、発達障がいに関する知識や理解を深め、当事者とのより良い関わり方やサポートの方法について学び、社内全体のアウェアネスを高めることを目的として企画されました。

できることを分析し、やりたいこと、求められることをマッチさせる

グローバルデータ部で活躍する彼は、自身の障がいの特性と日々感じてきた困難、そしてそれをどのように乗り越えてきたかを話してくれました。「障がいがあっても、生産的になることは不可能ではないし、やり方もある。ただ自分にとっては時間がかかるプロセスだった」と振り返ります。しかし「障がいがあるからこそ、まず自分が『できること』をしっかりと分析し、自身が描く『やりたいこと』と社会から求められる『必要なこと』をマッチさせていくことが重要です」と話してくれました。

その後のトークセッションでは、自分自身を深く分析する重要性への気付き、診断を受けたきっかけ、そして発達障がいとわかったときに感じた気持ちについて、打ち明けてくれました。また家族がどのように発達障がいを受け止め、そしてサポートしてくれたかについても、言葉を選びながら話してくれました。

イベント終了後には、同じように発達障がいを抱えて働くアジアの他地域の社員や、家族に発達障がいの子供を持つ社員から、「多くの学びがあった」とコメントが寄せられました。障がいの有無に関わらず、自分自身と向き合い、折り合いをつけていく作業は、実は誰にとっても必要なことでもあります。今回、「発達障がいという特性」に当事者として真摯に向き合う同僚の姿を目の当たりにして、障がいを特性として捉えることの意義や自分の持つ特性について考えを巡らせた社員も多かったようです。

Abilities & Festival 2020 ~あびふぇす2020~

2020年国際障がい者デー最後のイベントは、慶應義塾大学 塩田 琴美准教授の研究室で「スポーツを通じた障がいの理解」をテーマに研究を続ける学生の皆さん、同教授が代表を務める一般社団法人「コミュと小平」所属の重度障がいを持つ皆さんとそのご家族、そしてTokyo Abilities Communityのメンバーが集まって、オンラインでイベントを行いました。

今回のイベントは、障がいの有無に関わらず、さまざまな年代の参加者が共通して楽しむことができるゲームについて学ぶことを目的に、塩田ゼミの学生さんがコンテンツの企画立案・運営を担当したもので、Tokyo Abilities Communityメンバーもリハーサル段階から参加し、より良いイベントとなるようサポートさせていただきました。

障がいの有無に関わらず楽しむことができるゲームとは

当日は、障がい者スポーツに関する知識や音当てなど、さまざまなジャンルから出題される「クイズ」、触覚に集中することで、障がいの有無に関わらず楽しめる「魚釣りゲーム」、チーム全員で協力してWeb画面上に1つの形を作る「仮想組体操」など、学生ならではの楽しいアイデアが盛り込まれたイベントとなりました。また、チーム対抗で行われたこともあり、ゲーム中には活発に声かけが行われ、チーム内での絆も芽生えたようです。

塩田教授からの最終得点の発表の瞬間には、各チームで歓声があがり、障がいのある参加者からも「楽しかった」とフィードバックをいただきました。

イベントの企画、運営、進行をリモートで行う難しさの中、塩田ゼミの学生の皆さんのひたむきな努力により、目標とする「障がいの有無や程度に関わらず楽しめて、飽きずに続けられる。そして参加することに意義を見いだせる」イベントを開催することが出来ました。

Abilities Communityは、障がいを持つ社員とそのチャレンジを支援する有志で構成するコミュニティーです。障がいの有無にかかわらず、各自が能力を最大限に発揮できる職場環境を整える事を目指し、この課題に対する意識を社内全体で高め、相互に支え合っていけるような取り組みを展開しています。

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