フィランソロピー

香港の金融業界で、マイノリティ女性に平等な機会を提供するために

2022年8月1日

世界の金融業界では、雇用の平等が長年の課題として指摘されてきました。例えば2021年時点で、世界の取締役職に占める女性の割合はわずか21%、Cレベル(最高責任者レベルの経営幹部)は19%、CEOはたったの5%というデータがあります。この状況は香港でも同じ。香港のCレベル職に占める女性の割合は17%(出典)。また現地で一般的に使われている広東語を話す就職希望者は、他の候補者に比べて選考を通過する確率が高いことも分かっています(出典)。実際のところ、金融業界への就職を望む中国系以外の女性候補者や低所得層の女性候補者は、十分なスキルや経験があったとしても不利な状況にあると感じるかもしれません。

ブルームバーグは、金融業界への就職を望むすべての人が平等なチャンスを得られるように、この状況を変えようとしています。取り組みの一環として、「Your Future In Finance: Banking & Beyond(金融業界での私の未来:銀行業界と関連業界)」と題するプログラムを香港で立ち上げました。金融業界との接点が乏しく、歴史的に過小評価されてきたマイノリティグループの女子学生が、金融業界でのキャリアについて学び、必要な支援を得られる機会を増やすためのプログラムです。香港で事業を展開する金融機関7社(ブラックロッククレディスイスHSBCマッコーリー・グループモルガンスタンレー野村證券、カナダロイヤル銀行)と非営利パートナー6団体(エンパワーU香港ユニゾン香港青年協会JA香港アンバー財団ズビン財団)の協力で始まったこのプログラムは、企業と非営利団体の協働プログラムとしては最大規模です。

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募集一覧

プレゼンテーション、授賞式、閉会式の参加者

ブルームバーグのヴァンドナ・ラムチャンダニ氏(コーポレート・フィランソロピーアジア太平洋地域責任者)は、次のように述べています。

「社会が直面している喫緊の課題を解決するには、企業と非営利団体の協力が不可欠。香港の学生が平等なチャンスを得られる環境を整えるのは共通の目標です。企業と非営利団体が協力することで、非常に大きな社会的インパクトを生むことができるでしょう」

またアリーシャ・フェルナンド氏(ダイバーシティ&インクルージョンアジア太平洋地域責任者)も次のようにコメントしました。

「人材、思考、アイデンティティの多様性は、ブルームバーグの理念の中核を成す価値。多様な人材を支援することの重要性を理解するパートナーたちとYour Future In Finance: Banking & Beyondのプログラムを立ち上げたのは、マイノリティの女子学生にとってインクルーシブなキャリアパスを整える必要があるからです」

今年開催されたパイロットプログラムには、さまざまな民族的背景や社会経済状況の学生50名が参加。2か月間にわたって金融業界に関する知識を身に付け、パネルディスカッションや週一回のメンタリングセッション、ソフトスキルトレーニング、会社訪問などを通して人脈を広げました。また参加者には、香港のマイノリティ女性が金融業界に就職しようとする際に直面するさまざまな問題の解決策を考えるという課題が与えられました。

参加者のサクシ・バスデブさんは、次のように語っています。

「このプログラムのことを知った時、必ず参加したいと思いました。以前から金融業界の知識を深めたかったのに、機会がなかったのです。金融業界の複数の企業から不採用の連絡を受け、自分は金融業界には向いていないかもと思いました。でもこのプログラムに参加して、考えが変わりました」

このプログラムで私たちが重視したのは、金融業界でキャリアのスタートを切るために必要なツールと、金融業界にすでに存在し得るキャリア機会へのアクセスを学生に提供することです。

この点について、参加者のティック・チャウ・ローさんは次のように述べています。

「マイノリティの女子学生にとって最大の問題は、金融業界について学ぶための情報や求人プラットフォームなどのリソースにアクセスできないこと。このプログラムは、メンターと出会えるのが最大の魅力です。金融関連の学位がなくても、金融業界に就職できる実践的な方法を教えていただきました。例えばCFAの資格取得のために勉強したり、金融企業のサマーインターンシップに応募するアドバイスは貴重です」

ウェンディ・チュワンさんは、会社訪問が特に役に立ったと語っています。

「香港の大手銀行を見学したのですが、リテール業務の舞台裏を見たり、さまざまな部署や機能について学ぶことができました」

大部分の参加者は、このプログラムを通して就職活動に役立つ新しい知識が得られたようです。チャウ・ローさんも、次のように語っています。

「ユニークで素晴らしいこのプログラムに参加したことで、金融業界に就職したい気持ちが高まりました」

プログラムに参加したメンターも、香港で多様な人材を採用することについて新しい視点が得られたと述べています。カナダロイヤル銀行のニック・チャン氏(マネジングディレクター兼アジアウェルスマネジメント営業責任者)は、次のようにコメントしました。

「早い段階でのメンターシップやジョブフェアの開催は、金融業界がマイノリティの女子学生に平等な機会を提供できる方法のひとつ。参加者のプレゼンテーションから、多くの学びが得られました。例えば『民族的少数派』という旧来の用語の代わりに、Non-Chinese Hong Konger(中国系以外の香港市民)の頭文字を取った「NCHK」を使うことで差別や偏見を減らせるといった意見もあり、実社会で実践できる提案が役に立ちました」

香港金融業界における平等の実現は、まだ道半ばです。平等な採用慣行や職場環境を整えるため、企業ができることは多く残っています。マッコーリー・グループのメンターも次のように述べました。

「例えば、無意識のバイアスをなくすためのトレーニングを実施したり、あらゆるバックグラウンドの人の活躍を後押しするインクルーシブな言葉づかいを推進できます。このプログラムを地域の銀行や金融機関へと拡大することで、業界全体の意識を高める(そして採用慣行を向上する)こともできるでしょう」

参加者のシャオバイ・タンさんは、次のように語りました。

「差別はどこででも起こること。その厚い壁を破るのは簡単ではありませんが、香港の金融機関は女子学生に機会を提供できるよう最善を尽くしていると思います。時間とともに(女性が直面する)問題が減っていくのではないでしょうか」

このプログラムは、ブルームバーグが非営利団体のネットワークと協力してグローバルで展開しているコーポレート・フィランソロピー活動の一環です。ブルームバーグは、行政サービスが十分に行き届いていないコミュニティの人々を支援し、就職や起業に必要なスキルと経験を得られるように取り組みを進めています。誰もが参加できる公平な世界経済を実現するブルームバーグのグローバルな取り組みについては、こちらをご覧ください。

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