インクルージョン

宗教差別をなくし、共感し合える社会を実現するために

2021年11月18日

平等な社会を実現するためには、職場と社会全体のダイバーシティとインクルージョン(多様性と一体性)についてオープンに話し合う機会が不可欠です。ブルームバーグは、このような対話の場をさまざまな形で設けています。

対話の目的の一つは、社員の視点に立って、あらゆる側面から当事者のアイデンティティや体験を理解すること。残念ながら、世界ではヘイトクライムや差別が増加しています。ブルームバーグにも、日々の生活の中で宗教や文化的背景による差別を経験してきた社員がいます。当事者が今何を考えているのかを知り、差別をなくすために私たちができることを理解するためにお話をうかがいました。

Make it happen here.

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レヴィ・ハルバースタムさん(ニューヨークオフィス)

「宗教や信仰、性別、人種、民族が理由で暴力や差別の標的になる世界では、私たちは誰もが標的になりえます。憎悪は無知から生まれるのです」

ニューヨーク州ブルックリン出身のレヴィさんは5人兄弟の末っ子。正統派ユダヤ教徒の家族の中で、大学を卒業したのはレヴィさんが初めてでした。通信会社や政治関連の経験を積んだ後、インターンとしてブルームバーグに入社。その後正社員としてアナリティクスチームに配属され、現在はファイナンシャルプロダクト営業部門で米国ヘッジファンドの顧客を担当しています。

宗教や文化的背景を理由に、暴力や差別を受けたことはありますか? ご自身の体験について聞かせてください。また、暴力や差別などの苦難をどのように乗り越えましたか?

残念ながら、私も多くの人と同じように暴力や差別を受けたことがあります。

私の家族は、1994年に起きた反ユダヤ主義の最も残酷な事件の被害者です。ブルックリン橋で起きたテロ事件に、兄のアリが巻き込まれて殺害されました。外見がユダヤ人という理由だけで、わずか16歳だったアリは殺されたのです。アリが亡くなってから、母は事件を風化させないように努力しました。その努力が実り、「Jewish Children’s Museum」(ユダヤ人子供博物館)が設立されました。他者への理解を通じて、文化的寛容の大切さを教えてくれる博物館です。

ユダヤ人としてのアイデンティティは、私にとって欠かせないもの。それを周囲に示すことも大切です。誇らしげにキッパー(ユダヤ人男性が着用する帽子のような民族衣装)をかぶっていたアリを偲び、私自身もキッパーを着用しています。ユダヤ教徒というアイデンティティのためにアリが殺害された事実は、誰もが他文化を尊重しなければならないという原則を思い出させてくれます。お互いに違いがあっても、共通の人間性を大切にしなければなりません。

最近世界中で増加しているヘイトクライムから悪影響を受けていますか? レヴィさんが住んでいる地域や世界の状況をどのようにご覧になっていますか? 

ヘイトクライムが増加していることで、自分でも気付かなかった過去のトラウマがよみがえっています。自分や家族、さらにユダヤ人コミュニティの安全が脅かされる不安を覚え、ユダヤ教徒としてのアイデンティティを表現することの危険も感じるようになりました。ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンなどの都市でも、特定の民族や文化的集団の一員だという理由だけで、25年前のアリと同じヘイトクライムの標的になっている人々がいるのを目にしてショックを受けました。

あらゆる信仰の人々にとって心強いアライ(理解者・支援者)になるため、ブルームバーグの社員ができることは何ですか? 

昔と比べて、今は声を上げやすい時代になりました。変化を生み出し、思いやりのある社会をつくるため、さまざまなプラットフォームやスキルを活用してほしいと願っています。

フスナ・アゼディンさん(ロンドンオフィス)

「宗教に関する会話をタブー視せず、敬意をもってオープンな姿勢で文化や宗教や信仰に向き合うことで、有意義な対話が生まれると思います」

モロッコ出身のフスナさんは、フランスの大学で学んだ知識をブルームバーグでの仕事に生かしてきました。2020年10月から、ロンドンオフィスのグローバルデータの配当予測チームにて勤務しています。

宗教や文化的背景を理由に、暴力や差別を受けたことはありますか? ご自身の体験について聞かせてください。また、暴力や差別などの苦難をどのように乗り越えましたか?

フランスに住んでいた当時は、信仰が理由でさまざまな苦難に直面しました。特に問題だったのは、ヒジャブの着用です。学生時代にはアルバイトを探すのにも苦労しました。応募しても相手にされなかったり、拒絶されたり、採用に条件が付けられることもよくありました。ファストフードの店員でも、家庭教師も、採用されたいならヒジャブを外してくれと言われました。これは露骨な差別です。ある企業でインターンシップに参加した時も、同じように人種差別的な発言を受けました。そうした差別発言が、休憩時間の雑談中に起きたことが余計にショックでした。

イスラム教徒、ヒジャビ(ヒジャブを着用した女性)、アラブ人など、私のアイデンティティはさまざまな言葉で呼ばれます。たくさんの側面を持つアイデンティティは、自信の醸成に重要な役割を果たしてきました。自分の信仰を大切にして、表現できることを誇りに思っています。実際にそうすることで、人として強くなることができました。

最近世界中で増加しているヘイトクライムから悪影響を受けていますか? フスナさんが住んでいる地域や世界の状況をどのようにご覧になっていますか?

大きかったのは、精神的な影響です。ニュースでヘイトクライムの事件を見るたび、被害者は自分だったかもしれないと考えてしまいます。毎日ヒジャブを着けて公共交通機関を利用しているので、いつ差別の標的になるか分かりません。多くの人々が自分の信仰を表現することを恐れるようになり、安全でいるために自分のアイデンティティを隠したり、変えたりせざるを得なくなりました。これはとても悲しいことです。

ジャスビンダル・シンさん(ニューヨークオフィス)

「世界の行く末や、家族やコミュニティへの長期的な影響について考えると、心配になることがあります」

インドで高等教育を修了したジャスビンデルさんは、ブルームバーグ シンガポールオフィスのグローバルデータグチームでキャリアをスタート。その後、米国ニュージャージー州のプリンストンオフィスに異動し、ブルームバーグインデックスのプロダクションチームで働いています。現在はインデックス商品マネージャーとしてブルームバーグ債券インデックスに注力し、主要インデックスの顧客アカウントを担当しています。

宗教や文化的背景を理由に、暴力や差別を受けたことはありますか? ご自身の体験について聞かせてください。また、暴力や差別などの苦難をどのように乗り越えましたか?

日常生活や職場で、危険を感じたことはありません。でも空港などでは、ランダムであるはずのセキュリティチェックで頻繁に止められます。また、道端でひどい言葉を浴びせられたことも何度かありました。でも今では、こうした状況への対処方法を身に付けています。例えば、空港の職員は自分の任務を果たそうとしているだけだと考え、飛行機を利用する際は時間に余裕をもって行動するようにしています。ひどい言葉を浴びせられた時は不快に感じますが、自分個人に向けられたものではないのだと思うようにして、深く受け止めないようにしています。

特定の宗教や文化的集団の一員であるご自身のアイデンティティは、仕事やプライベートでどんな強みになっていますか?

宗教の教えを実践することは、私にとって地に足をつけて生きるための支えであり、困っている人たちを助けるモチベーションにもなっています。シーク教徒である私は、宗教上の独特な外見から目立つことがあります。おかげで、周りと違う見かけの人、言葉や話し方が違う人などに、より深く共感できるようになりました。最終的に必要なのは、共感力を高めること。異なった意見を持つ相手でも、その人の考え方を理解しようと努力すれば、きっといいことがあります。むしろそんな他者ほど、理解を深めるべき対象なのかもしれません。

アリー・ハウプトマンさん(ニューヨークオフィス)

「有名なエリ・ヴィーゼル氏も言っています。沈黙は抑圧者を助長するだけで、被害者を救うことには決してならない。だから時には介入しなければならないのだと」

ニューヨーク州ロングアイランドで育ったアリーさんは、ホロコーストの生存者だった祖父母の影響で正統派ユダヤ教徒としてのアイデンティティを確立しました。2007年にブルームバーグに入社し、アナリティクスチームを経て現在はエンタープライズプロダクツ部門で働いています。

宗教や文化的背景を理由に、暴力や差別を受けたことはありますか? ご自身の体験について聞かせてください。また、暴力や差別などの苦難をどのように乗り越えましたか?

外出時は一目でユダヤ教徒だと分かるキッパーを着用しているので、残念ながら人種差別のターゲットになることはあります。最近では、出勤途中の駅のホームで罵声を浴びせられました。動揺しましたが、幸い身体的な危険が及ぶことはありませんでした。自分自身を守るために、言葉で相手の無知を指摘しました。この出来事の後、同様の脅威が高まっていることを周りの人に知らせ、警戒心を緩めずに連帯して声を上げられるようにするため、SNSで事の顛末を投稿しました。投稿後には友人や同僚から応援の言葉が相次ぎ、気持ちがとても楽になりました。

特定の宗教や文化的集団の一員であるご自身のアイデンティティは、仕事やプライベートの面でどんな強みになっていますか?

コミュニティを大切にする心は、ユダヤ教に深く根付いています。これは互いに助け合って協力を惜しまない文化の基盤になっています。こうした文化の根底には、すべての人の意見には価値があり、団結すれば大きな目標も達成できるという考え方があります。コミュニティの連帯や協力を重んじる文化は、私個人が職業人として生活する上でも実践したい大切な価値観です。

カリーム・ファラジュさん(ロンドンオフィス)

「世の中で起きていることを目にし、現実世界やSNSでの体験を友人や同僚から聞くと、本当に悲しい気持ちになります」

モロッコで育ったカリームさんは、複数の奨学金を獲得してフランスで工学を学びました。投資銀行に勤めた後、2010年にブルームバーグに入社。現在はエンタープライズプロダクツ部門で働いています。

宗教や文化的背景を理由に、暴力や差別を受けたことはありますか? ご自身の体験について聞かせてください。また、暴力や差別などの苦難をどのように乗り越えましたか?

アラブ人として生きる私は、人生の大半で差別を経験してきました。パリで働いていた時、自分が主催する大きな会議の開始直前に、シニアコンサルタントが急いでゴミ箱を空にしてくれと頼んできました。駅で警察に呼び止められ、屈辱的な身体検査を強要されたこともたくさんあります。フランスでも、イギリスでも、経歴や証明書を提示するたびに偽造を疑われることが多くありました。でもそんな逆境に遭遇したときは、できる限り前を向いて進み続けるようにしています。

あらゆる信仰の人々にとって心強いアライ(理解者・支援者)になるため、ブルームバーグの社員ができることは何ですか? 

幸いブルームバーグでは協働を重んじる企業文化が定着しているため、社員の間にも寛容の精神が浸透しています。もちろんまだ改善できることもあるし、多様性を受け入れることは第一段階に過ぎません。次は無意識のバイアスに対する自覚を高めることで、人を思い込みで判断することなく多様な文化背景を尊重できるようにすべきです。ブルームバーグには素晴らしいリソースが用意されており、D&Iチームやブルームバーグコミュニティー主催のイベントも開催されています。私たちはこうしたリソースやイベントを活用しながら、社員として、同僚として、人として成長していかなけばなりません。

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