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ミネラルウオーターにナノプラスチック、研究で初検出-健康懸念も

  • これまでの推計の最大100倍に上るプラスチック粒子含まれる可能性
  • ナノプラスチック、細胞を突き抜け血流に入るほど小さい
A pedestrian drinks bottled water during a heatwave in Berlin, Germany, on Thursday, July 25, 2019.

A pedestrian drinks bottled water during a heatwave in Berlin, Germany, on Thursday, July 25, 2019.

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

一般的な1リットルのミネラルウオーターに平均約24万個のプラスチック片が含まれていることが、新たな研究で分かった。これらの多くは過去に検出されてこなかったと研究者らは指摘し、プラスチック汚染による健康への懸念が著しく過小評価されている可能性を示唆した。

  ミネラルウオーターに「ナノプラスチック」(粒径1マイクロメートル、ヒトの髪の毛の幅で70分の1未満のプラスチック粒子)が存在するかどうかを判断する初の研究で、査読済みの論文が学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に8日掲載された。

  ミネラルウオーターにはこれまでの推計の最大100倍に上るプラスチック粒子が含まれている可能性が示された。以前の研究ではマイクロプラスチック(1ー5000マイクロメートルのプラスチック粒子)しか考慮されていなかった。

  ナノプラスチックは細胞を突き抜けて血流に入り、臓器に影響を与えるほど小さいため、ヒトの健康にとってマイクロプラスチックより大きな脅威となる。また、胎盤を通じて胎児の体内に入ることもあり得る。科学者らは以前から、ミネラルウオーターにおけるナノプラスチックの存在を疑ってきたが、個々のナノ粒子を特定する技術がなかった。

  こうした壁を乗り越えるため、研究共著者は新しい顕微鏡検査技術を開発するとともに、データを駆使したアルゴリズムのプログラムを作成。その両方を使って、米国で普及する3つのブランドから購入した約25リットルのミネラルウオーターを分析した。その結果、1リットル当たり11万-37万個のプラスチック微粒子が検出され、その90%がナノプラスチックだった。研究者はブランド名には言及していない。

  論文の主執筆者でコロンビア大学の院生であるナイシン・チェン氏は「この研究は、ナノプラスチック分析の課題に対処する強力な手段を提供するもので、ナノレベルでのプラスチック汚染に関する足元の知識格差を埋めることが期待される」とした。

  研究者は、多くのペットボトルの原料となるポリエチレン・テレフタレート(PET)や、ボトル詰め前の水の浄化フィルターに使用されることが多いポリアミドなど、7種類の一般的なプラスチックに着目した。だが、ミネラルウオーターでは特定されないナノ粒子も数多く検出された。これがナノプラスチックであれば、ミネラルウオーターに存在するプラスチックの割合はさらに高まると考えられる。

  国際ボトルドウオーター協会(IBWA)は発表文で、この研究手法は「科学コミュニティーで十分検証される必要がある」としたほか、「ナノとマイクロプラスチック粒子による健康への潜在的な影響について、科学的なコンセンサスはない」と指摘した。同協会は研究成果には言及しなかった。

原題:Bottled Water Contains Previously Undetected Nanoplastics (1)(抜粋)

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