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ソフトバンクG次なる泣きどころ、出資する非公開企業の評価額減

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Masayoshi Son, chairman and chief executive officer of SoftBank Group Corp.

Masayoshi Son, chairman and chief executive officer of SoftBank Group Corp.

Photographer: NurPhoto/NurPhoto

株式市場ではテクノロジー銘柄への買い意欲が再び強まっているが、孫正義社長が率いるソフトバンクグループは苦戦を強いられている。

  同社の株価は昨年の高値からほぼ半値水準に落ち込んだ。投資先の上場企業の株安が響いた格好だ。こうした上場企業の株価は最近持ち直している一方、評価額が相対的に不透明な非公開企業への出資分が、ここへきてソフトバンクGの投資リターン全体の足を引っ張るとみられる。

  多数に上る投資先の非公開企業について、その評価額を引き下げることは、ソフトバンクGには特に痛みを伴う作業となる。同社はそうした企業を上場させ、その株式を担保に借り入れた資金で他のスタートアップを支援する手法を長く用いてきたからだ。

  2021年に日本企業として過去最高の四半期利益をたたき出すなど、その方法は追い風が吹いている時期には非常にうまく機能していた。しかし、北京字節跳動科技(バイトダンス)など出資先の非公開企業の評価額下落により、このサイクルはリスクにさらされている可能性がある。

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  テクナリシス・リサーチの社長兼チーフアナリスト、ボブ・オドネル氏は、ソフトバンクGが投資先の非公開企業の「評価額を下げるであろうことに何ら疑問はない」と指摘。その上で「ソフトバンクGは比較的不透明であり、それが懸念を生んでいる」と述べた。

  動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営するバイトダンスの評価額は、昨年から少なくとも25%余り減少した。後払い決済サービスを手掛けるスウェーデンのフィンテック新興企業クラーナ・バンクは、最近の資金調達ラウンドでの評価額が昨年6月時点と比べて85%下がった。

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  韓国のカーシェアリング企業ソカーは新規株式公開(IPO)の計画を進めているが、その規模は想定よりも小さくなりそうだという。そうなれば、孫氏の借り入れ余力や、次のスーパースター企業を発掘する力にも影響するだろう。

  ソフトバンクGはこれら非公開企業をどのように評価しているかは公表していない。同社広報担当者は当記事へのコメントを差し控えた。

Rapid Rise and Fall | Klarna's one-time valuation of $46 billion has plunged to just $6.7 billion
クラーナ・バンクの評価額
出所:会社届け出資料、ブルームバーグ

  さらに、ソフトバンクGのポートフォリオ企業の多くにとって、中国当局による業界締め付けや部品コストの上昇も打撃だ。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によれば、こうした状況からソフトバンクGはより新しい市場への投資に加え、新興企業への支援は早めの段階で行うことにする可能性がある。

  BIのアナリスト、マービン・ロー氏は最近の混乱でベンチャーキャピタルファンドはスタートアップへの投資を減らし、こうした企業がソフトバンクGに新規資金を求めて接近することもあり得ると話す。

  「ソフトバンクGはスタートアップを存続させるため、あるいは将来的にIPOを目指し得る成功した企業へと転換させるため、新たな資金を注入する必要があるかもしれない」とロー氏は指摘した。

SoftBank CEO Masayoshi Son Presents Third-Quarter Results
孫正義氏
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

 

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原題:

SoftBank’s Next Pain Point Is Recognizing Private Asset Meltdown(抜粋)

(第9段落以降を追加し更新します)
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