7月米雇用者数、予想大幅に上回る伸び-リセッション懸念和らぐ
Olivia Rockeman-
非農業部門雇用者数は52.8万人増、予想25万人増-失業率は3.5%
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短期金融市場、9月FOMCでの75bp利上げ織り込む動き強まる

米国では7月に雇用者数が市場予想の2倍を超える増加となり、堅調な労働需要が示された。これによりリセッション(景気後退)懸念が和らぎ、米金融当局はインフレ抑制に向け積極的な利上げを続けるとみられる。
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7月の統計は、人手不足に悩むサービス業を中心に多くの産業で労働需要が旺盛なことを示唆する内容。宿泊および飲食サービス、ヘルスケアなど広範囲で雇用が伸びた。
これは、数十年ぶりの高インフレを前にした米金融当局が、積極的な金融政策姿勢を継続する理由付けになる可能性がある。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ幅は「データ次第」だとした上で、3回連続となる0.75ポイント利上げの可能性にも含みを残した。
9月FOMC、75bp利上げの確率が50bp上回る-短期金融市場
グラスドアのシニアエコノミスト、ダニエル・ジャオ氏は「金融政策の引き締めが影響し、労働市場は今後数カ月で減速するとみられる。しかし今のところ、労働市場は引き続き非常に好調であり、リセッション懸念を和げるだろう」と述べた。
予想を上回る伸びが示された7月雇用統計は、11月の中間選挙を前に支持率が低迷するバイデン大統領にとって朗報となる。
平均時給も前月比0.5%増と市場予想の0.3%増を上回る伸び。6月は0.4%増(速報値0.3%増)に上方修正された。7月は前年同月比では5.2%増(市場予想4.9%増)。ただ賃金上昇ペースの加速はインフレ圧力の継続を示唆しており、米金融当局にとっては懸念材料でもある。
元FRB理事で現在はシカゴ大学ブース経営大学院の経済学教授であるランドール・クロズナー氏は「0.75ポイント利上げは確実に次回会合で検討されるだろう」と指摘。「労働市場の強さだけでなく、賃金が上方修正された前月以上に加速したことが重要だ」とブルームバーグテレビジョンで語った。
労働参加率は62.1%と、今年に入って最低水準に低下。ティーンエージャーでの低下が目立った一方、25-54歳では上昇した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Job Growth Surges, Tempering Recession Alarm and Pressing Fed(抜粋)