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ミサイル発射が新たな火種、米中対立で日中も緊迫-防衛費増額議論も

  • 政府は安保政策の見直しに着手、防衛費「相当な増額」打ち出す
  • 台湾有事が及ぼす潜在的影響について警戒意識を高める-専門家

日本の排他的経済水域(EEZ)内にも落下した中国による弾道ミサイルの発射は、歴史認識や人権などの問題で頻繁に対立する地域の緊張を高める恐れがある。

  今回の中国の威嚇行為は台湾海峡におけるこの数十年で最大規模の軍事演習の一部で、台湾に対する軍事行動が日本に深刻な結果をもたらし得るという懸念を改めて強く印象付けた。ペロシ米下院議長の台湾訪問後に行われたミサイル発射により、日本では防衛費の速やかな増額や防衛力に対する憲法上の制約緩和を巡る議論に拍車がかかる可能性がある。

  中国による弾道ミサイル発射は、米国や西欧諸国との安全保障関係を深めつつ最大の貿易相手国である中国を完全に孤立させないという、日本が保とうとしていた微妙なバランスに打撃を与えている。政府は国家安全保障政策の見直しに着手し、防衛費の「相当な増額」を打ち出している。

JAPAN-US-DIPLOMACY
岸田首相とペロシ米会議長が会談(5日、都内)
Source: AFP

  米シンクタンク、スティムソン・センター(ワシントン)の辰巳由紀主任研究員は、「中国が発表通りに軍事演習を続け、このような事態がさらに起きるのであれば、間違いなく中国政府への逆風となるだろう」と指摘。今回の出来事は台湾有事が及ぼす潜在的影響について警戒意識を高めると同時に、防衛費の速やかな増額や平和憲法の見直しを求める政治家に新たな材料を提供することになると述べた。

  岸田文雄首相は5日、来日したペロシ米下院議長と会談。弾道ミサイルを発射した中国に抗議し、軍事訓練の即刻中止を求めたと伝えた。日本の防衛省は4日、中国が発射した弾道ミサイルのうち5発が日本のEEZ内に落下したと発表した。中国のミサイルが日本のEEZ内に落下したのは初めてとなる。

原題:China Missiles Deal Fresh Blow to Fraught Ties With Japan(抜粋)

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