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ソフトバンク社長、金融事業を屋台骨に-ペイペイ上場は黒字化後

更新日時
  • 金融は「少なくとも3分の1の規模感になってほしい」と宮川社長
  • 4-6月営業利益は13%減、スマートフォン料金値下げの影響続く
Pedestrians past a SoftBank Corp. store in Tokyo.

Pedestrians past a SoftBank Corp. store in Tokyo.

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

国内通信大手のソフトバンクの宮川潤一社長は4日、事業セグメントに決済アプリのペイペイを中心とした金融事業を新たに加えると発表し、将来的に同社の基幹事業の一つに成長させたいとの考えを示した。ペイペイの上場に関しては、黒字化後が望ましいとの認識を明らかにした。

  宮川社長は4日の決算会見で、非通信分野を強化するビオンド・キャリア戦略をさらに加速させるため 10-12月期(第3四半期)以降に金融セグメントを新設すると表明し、社長在任中に収益面で「わが社の屋台骨に、少なくとも3分の1の規模感になってほしい」と述べた。

  また、ペイペイの新規株式公開(IPO)に関し意欲を示したものの、「今の環境で出るのは良くない。できれば、黒字化したタイミングでした方が良い」と語った。宮川社長によると、第3四半期にペイペイの再評価益を計上する予定。

SoftBank Corp. CEO Junichi Miyakawa Presents Earnings Figures
ソフトバンクの宮川社長
Source: Bloomberg

  ソフトバンクは7月27日、優先株の普通株転換を通じてペイペイを10月1日付で連結子会社化すると発表。同社とZホールディングスが共同で中間持ち株会社のBホールディングスを設立し、クレジットカード事業のペイペイカードを譲り受け、ペイペイとLINEサービスの連携強化も図るとしていた。

  同社が4日に発表した4-6月期(第1四半期)決算は、営業利益が前年同期比13%減の2471億円と市場予想の平均(2622億円)を下回った。携帯電話料金値下げの影響が続いたほか、デジタル化や巣ごもり需要でこれまで好調だった法人事業、ヤフー・LINE事業も減益だった。

  全体の売上高はヤフー・LINE事業でのコマースや広告関連売り上げの増加で0.4%増収を確保したが、利益面ではスマートフォンを扱うコンシューマー事業のセグメント利益が新料金プラン導入の影響で16%減となったことが足を引っ張った。

4-6月期業績
  • 売上高 :前年同期比0.4%増の1兆3620億円、市場予想1兆4008億円
  • 営業利益:13%減の2471億円、市場予想2622億円
  • 純利益 :15%減の1285億円、市場予想1418億円

  宮川社長は会見で、同四半期のスマホ値下げの影響額が250億円だったと説明。ただし、モバイル契約数は順調に増加しているとし、競合の楽天グループが月間1ギガバイトまで無料だったデータ使用料金を廃止した影響については「楽天からの転入が増え、転出は半分に減った」ことを明らかにした。

  その他のセグメント利益は、テレワークや企業のデジタル化需要を取り込んだ法人事業も前年同期に一時的な費用の戻し入れがあった反動から5.1%の減益。ヤフー・LINE事業も、成長に向けた人材採用の強化など費用負担が増えた影響で3.2%減益となった。

  4-6月期の主な重要業績評価指標(KPI)は、コンシューマー事業における契約者1人当たりの平均収入(ARPU)が3910円と前年同期比6.5%低下、前四半期比でも1.8%低下した。決済アプリのペイペイの決済取扱高は1兆6776億円と前年同期から38%伸びた。なお、ペイペイの同四半期の売上高は2.2倍の239億円だった。

  一方、営業利益で前期比1.4%増の1兆円、1株当たり86円を見込む今期(2023年3月期)の業績や配当計画については期初の見通しのまま据え置いた。

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(宮川社長の会見内容を踏まえ、全体を再構成します)
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