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FRBはインフレとの闘いにコミット-複数の連銀総裁が表明

更新日時
  • 利上げの前倒しがFRBの信認高める-ブラード総裁
  • リセッションは起こり得るとバーキン、カシュカリ両総裁
James Bullard, president and chief executive officer of the Federal Reserve Bank of St. Louis, gestures while speaking at the 2019 Monetary and Financial Policy Conference at Bloomberg's European headquarters in London, U.K., on Tuesday, Oct. 15, 2019.

James Bullard, president and chief executive officer of the Federal Reserve Bank of St. Louis, gestures while speaking at the 2019 Monetary and Financial Policy Conference at Bloomberg's European headquarters in London, U.K., on Tuesday, Oct. 15, 2019.

Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

利上げがリセッション(景気後退)のリスクを招くとしても、米連邦準備制度は約40年ぶりの高水準にあるインフレ率を抑制するため積極的な闘いを継続する。複数の米金融当局者がこう表明した。

  セントルイス連銀のブラード総裁は、大幅な利上げを「前倒し」で実施する戦略を支持すると述べ、政策金利を年末時点で3.75-4%とすることが望ましいとの見解をあらためて示した。リッチモンド連銀のバーキン総裁、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も当局がインフレ率の押し下げにコミットしていると述べ、リセッションは起こり得ると指摘した。

  サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、大量失業や景気低迷を招くことなく金融当局がインフレを抑制することは可能だとの見解を維持した。

  ブラード総裁は米経済専門局CNBCとのインタビューで、「金融政策が景気抑制的な水準に達するまでには、まだしばらく道のりが残っている」と指摘。「この春インフレ指標が上昇したことを踏まえ、年内に(政策金利を)3.75-4%にすべきだというのが私の見解だ。ある特定の会合でそれを実施するのか、また別の会合になるのかは重要な問題だ。私は利上げの前倒しを支持してきている。前倒しはインフレとの闘いにおけるわれわれへの信認を高めると考えている」と述べた。

2019 Monetary and Financial Policy Conference
ブラード総裁
Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

  複数の連銀総裁が今週、インフレはまだ鈍化していないとの見解を強調し、金融当局が引き締め局面において積極性を弱める方向に姿勢を転換しているという観測を打ち消した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、政策金利が今年末までに3.4%、2023年末までには3.8%に引き上げられるとの連邦公開市場委員会(FOMC)の予測に言及した。

  ブラード氏は、「われわれの政策が十分だと感じられるようになるには、インフレ指標全てが総合とコアの両方で納得できる形で下がっているという説得力ある証拠を目にする必要がある」と述べた。

  さらにその後、物価上昇ペースの広範な減速を目にするため政策金利を「より長期間、高めの水準で」維持する必要がありそうだと付け加えた。

  金融市場は23年上期にも利下げが行われる可能性を織り込みつつあり、一部の投資家は、パウエル議長の先週の記者会見での発言について、当局が近い将来に引き締め姿勢を弱める可能性を示唆するものだと受け止めた。

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Source: Bloomberg

  FOMCは先月、2会合連続の0.75ポイント利上げを決めた。パウエル議長は次回9月会合でも同様の規模の利上げがあり得ると会見で発言した。具体的なフォワードガイダンスは示さず、将来の利上げはデータ次第であり、会合ごとに決めることになると語った。

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  バーキン総裁は3日、シェナンドーバレー・パートナーシップが主催したイベントでの講演で、「インフレを制御する道はある」と発言。「しかし、その過程でリセッションは起こり得る。仮に起こったとしても、ビジネスサイクルは誰にも打ち消すことはできないという点を念頭に置いておく必要がある」と述べた。

  バーキン氏は金利の望ましい道筋には具体的に言及しなかったものの、インフレ率が速いペースあるいは予測可能な形で下がる公算は小さいとも指摘した。

  同氏は「世界的なイベントやサプライチェーンによる支えは得られるかもしれないし、得られないかもしれないが、われわれには手段があり、時間をかけて結果を導くのに必要な家計や企業、市場からの信認を得ている。われわれはそれを達成する」と述べた。

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0.5ポイント利上げが「妥当」

  デーリー総裁は3日、ロイターが主催したツイッターのコミュニティー「スペース」のイベントで、手元のデータに基づくと、9月の0.5ポイント利上げが「妥当だろう」と発言。2%のインフレ目標は23年終盤か24年の早い時期までに達成できると「期待している」と語り、高い水準の政策金利が「しばらくの間」続き、6カ月強、おそらくは1年にわたって継続するとの見通しを示した。

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  ブラード、バーキン両氏とも、米国がリセッションに陥っていないとするパウエル議長の見方に同意。米国内総生産(GDP)の2四半期連続のマイナス成長よりも、力強い雇用の伸びの方が説得力があると指摘した。

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  ブラード総裁は今年下期にはプラス成長に戻ると予想。「現在リセッションに陥ってはいない」とし、「今年上期の雇用の伸びを踏まえれば、リセッションにあるとは言い難い」と述べた。

  バーキン総裁は、「リセッション懸念は月間ベースの雇用の伸びが40万人に近く、失業率が歴史的低水準付近の3.6%にある経済とやや矛盾する」と指摘した。

  カシュカリ総裁はニューヨークでのイベントで、金融当局がインフレ抑制の一点に集中していると発言。それは経済がリセッションにあるかどうかによって左右されないと述べた。

  金融当局が経済をいわゆるソフトランディング(軟着陸)に導くことは可能かとの質問に対し、カシュカリ氏は「可能だと思う。ただ、その確率がどれだけあるかは分からない。それを達成できるよう、われわれは全力を尽くす。ただ、インフレを元に戻す必要がある」と答えた。

原題:Fed Leaders Pledge Tough Fight to Keep Inflation Credibility (3)Bullard Urges Front-Loading Rate Hikes to Boost Fed Credibility(抜粋)

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