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三井物と三菱商、ロシアの「サハリン2」で投資評価減2000億円超

更新日時
  • 三菱商はサハリン2関連で811億円の減額、移転申請の詳細は不透明
  • 三井物は「アークティックLNG2」も政府やパートナーと対応協議
サハリン2からLNGを積み込むタンカー(2021年10月)
サハリン2からLNGを積み込むタンカー(2021年10月) Source: AP Photo

三井物産三菱商事は2日、第1四半期(4-6月)決算発表でそれぞれロシアの液化天然ガス(LNG)事業について再評価を行い、「サハリン2」プロジェクトの公正価格で総額2000億円超の減額処理を行った。いずれも今後の状況は不透明としている。

  三井物産の発表資料によると、公正価格の評価減額でその他包括損益に1366億円を計上し、今後の状況次第で公正価値は増減する可能性があるという。同社のサハリン2の投資残高は減額後に902億円となる。

  重田哲也最高財務責任者(CFO)は会見で、現時点ではロシアのプーチン大統領が署名した同プロジェクトの権益をロシア企業に引き継ぐ大統領令の実施方法などの詳細が不明としつつ「中身が明らかになり次第、投資の影響は出る」とコメントした。

  一方、サハリン2と、ロシア北極圏の液化天然ガス採掘プロジェクトであるアークティックLNG2については、引き続き日本政府や事業パートナーを含むステークホルダーと協議をして適切に対応していくとの方針を示した。

  同社はサハリン2に12.5%、アークティックLNG2には独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)との共同で10%出資しており、三井物単体での出資比率は2.5%となる。

  同社がきょう発表した第1四半期決算は、純利益が前年同期比44%増の2750億円と、市場予想の2273億円を上回った。原油・ガス価格の上昇を背景にエネルギー分野が好調だった。2023年3月通期の業績見通しは変更しなかった。

  また、同社は同時に5000万株の自己株式消却を発表し、発行済株式総数の3%に当たる株式を8月31日付で消却するとした。

三菱商も減額

  一方、三菱商事もサハリン2の公正価格を623億円と算出して、第1四半期決算でその他包括損益を811億円減少させたと発表した。同社はロシア政府が設立する新会社に対して、10%を保有するサハリン2の運営会社の権利義務を移転申請する見通しだが、詳細な条件やスケジュールが不明確としている。

  同社が発表した第1四半期決算は、純利益が5340億円と前年同期の1876億円の約2.8倍となり、3カ月利益として過去最高を更新した。高値で資源価格が推移したことに加え、自動車関連事業や欧州総合エネルギー事業、不動産開発事業などが好調だったと説明している。

  また、同社は既存のLNGプロジェクトの拡張検討を進めており、米国のキャメロンLNGプロジェクトの拡張に向けて協議していることを野内雄三CFOが決算会見で明らかにした。

開発事業出資企業
サハリン1SODECO (経産省、伊藤忠、石油資源開発、丸紅、INPEX) 30%、エクソンモービル 30%、ロスネフチ 20%、インド石油天然ガス公社 20%
サハリン2ガスプロム 50%、シェル 27.5%、三井物 12.5%、三菱商 10%
アークティックLNG2ノバテク 60%、ジャパン・アークティックLNG (三井物、JOGMEC) 10%、 中国海洋石油集団 10%、中国石油天然気集団 10%、トタルエナジーズ 10%

 

(出資に関する表現と表などを補って記事を更新しました)
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