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与党勝利なら株価は上昇傾向、今回は悪材料も混在との見方も-参院選

  • 海外勢は岸田政権安定を好感、国内では増税に警戒も-SMBC日興
  • 参院選勝利で2025年まで国政選挙がない「黄金の3年」も視野

参院選後の株式市場は、与党が勝利すれば政権安定を好感して上昇する傾向にある。岸田文雄首相も参院選に勝てば長期政権が視野に入るが、金融所得課税をはじめ増税への警戒感がくすぶることはマイナス材料になるとの見方もあり、市場にとっては好悪材料が混在する展開になりそうだ。

  ブルームバーグのデータによると、参院選後半年のTOPIXの騰落率は、過去10回のうち7回でプラス圏だった。直近3回は安倍晋三政権下で自民党が勝利し、株価も上昇。一方で下落した1998年は自民が惨敗し、当時の橋本龍太郎政権が退陣。07年は自民が歴史的大敗を喫し、野党が参院で多数を占めるねじれ国会の時代に入った。

与党勝利で株価上昇傾向

参院選から半年のTOPIXの騰落率

出所:ブルームバーグ

  昨年10月に発足した岸田政権は、同月の衆院選で勝利。参院選に勝てば、衆院を解散しない限りは、その次の参院選が行われる2025年まで国政選挙の予定がない「黄金の3年」となり、長期政権が視野に入る。今回の参議選についてのマスコミ各社による情勢調査では与党が改選議席の過半数を上回る勢いを保っている。

  SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは、自民が勝利すれば「海外勢は政権基盤安定をプラスに受け止める」とする一方、「国内では増税への警戒感が広がる可能性がある」と指摘。株価を重視したアベノミクス路線から離れるとみられれば「マイナス材料になる」とも語る。

  宮前氏は「安倍政権の時には与党が勝てば買いだったが、勝っても負けても良い材料と悪い材料が混在する珍しい選挙だ」という。

  岸田首相は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を掲げ、市場・株主偏重の資本主義からの転換を訴えてきた。党首討論では、子育て世代の所得引き上げなど分配政策を優先するが、税制調査会での議論は続けると述べた。与党の税調では法人税の実効税率を引き上げる案が浮上しているとの報道もある。

  第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、金融所得課税強化は株価下落につながる「鬼門」になっており、「優先順位は低い」との見方を示す。一方で野党が「岸田インフレ」と批判する物価高への対応は、「選挙で提起された問題として残る。野党が掲げた消費減税や給付金などと同じことをやるとは思えないが、思い切った施策を取ってほしい」と期待する。

  参院選後の政策として市場関係者が注目するのが、訪日外国人客(インバウンド)の本格的な入国再開だ。政府は先月、受け入れを再開したが、ツアー客に限っており、1日当たりの入国者数はビジネス客や日本人を含めて2万人を上限にしている。

  証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長は、「選挙で自民党が勝ってインバウンドの規制緩和が進めば、いわゆるリオープン(経済活動の再開)関連銘柄が買われる」とみている。

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