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円安の物価押し上げは限定的、3月以降0.4ポイント-佐々木教授

  • 物価上昇の議論には「円安よりも供給ショックの見極めが重要」
  • 今回の原油高・円安局面では物価は動かないとの説明を覆す動き
Japanese 100 yen coins and 10,000 yen banknotes

Japanese 100 yen coins and 10,000 yen banknotes

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

為替と物価の関係に詳しい明治学院大学の佐々木百合教授は、3月以降の急激な円安進行が日本の消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)を0.4ポイント程度押し上げているとの試算を示した。為替変動の大きさに比べれば影響は限定的とみている。

  佐々木氏の分析によると、1%の円安はコアCPIを0.02ポイント程度押し上げる効果がある。足元まで約20%進んだ円安の影響は「非常に小さい」とした上で、物価上昇の本質の議論には「円安よりも供給ショックの見極めが重要だ」と述べた。6月27日にインタビューした。

  コアCPIの前年比上昇率は4月に2.1%と消費増税の影響を除くと2008年9月以来の高水準となり、5月も2.1%と2カ月連続で日本銀行が目標とする2%を超えた。ドル・円相場は3月初めの1ドル=115円付近から、6月29日には一時約24年ぶりの137円台まで円安が進んだ。 

日米欧のインフレ指標
 
 

  バブル崩壊以降に何度かあった原油高や円安の局面と異なり、今回は資源高・供給ショックに広がりと持続性が見られ、賃金上昇機運やポストコロナ下での需要拡大期待も高まりつつあると指摘。「物価は動かないとの説明を覆す動きが出ている。日本だけインフレ率がゼロに戻る理由が見つからない」という。

  変化を好循環につなげるには「物価が上昇している中で、企業が賃上げに反映させることは当然だ」と主張した。政策的にも「国内需要は出切っておらず、消費を冷やさないことが重要だ。ここ1、2年の取り組みが非常に大切になる」と語った。

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