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日産がルノーとのアライアンス協定一部開示、株の追加取得制限

更新日時
  • 条件を満たさない限り、ルノーは日産株を44.4%を超えて取得できず
  • ルノーが取り決め不履行なら日産は承諾なしにルノー株追加取得可能

日産自動車は30日、仏ルノーとの間の資本・業務提携に関する合意書「改定アライアンス基本契約(RAMA)」を含めた同社と結ぶ重要な契約の一部について初めて開示した。

Nissan Headquarters Gallery Ahead of Earnings Announcement
本社ショールームに展示された日産車(2021年11月2日、横浜市)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日産が開示した2021年度の有価証券報告書によると、第三者が日産株式の20%以上を取得するといった場合を除き、ルノーは日産の事前承諾なしに44.4%を超えて同社株を取得することが禁止されている。また、ルノーが日産の株主総会で議決権行使に関する取り決めに従わない場合を除き、日産はルノーの了解なく15%を超える同社株を取得することが禁止されているという。

ルノーが以下の取り決めに従わない場合、日産はルノー側の承諾なしに同社株の追加取得が可能
  • 日産の取締役会が提案する同社取締役(ルノーの指名する取締役候補者を除く)の選任・解任の議案に賛成票を投じる
  • 日産の取締役会の承認を得ずに株主提案を行わない
  • 日産の取締役会が支持していない株主提案に賛成票を投じない

  ブルームバーグのデータによると、ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%と相互に出資している。フランスの法律では一定以上の比率の出資を受けている企業は出資元の株式を保有していても議決権を持てない。一方、日本の会社法では日産がルノー株を買い増して出資比率を25%以上とすればルノーが保有する日産株の議決権は消滅する。

  日産の株主は昨年6月の株主総会でRAMAの内容の是非が株主間で議論されていないことがルノーとの不平等な関係が改善されない原因の1つであるとして、同協定を開示するよう求めていた

  日産の取締役会は同提案に対し守秘義務を理由に開示を拒否していたが、28日に開催した今年の株主総会で再びRAMAの開示を求める株主提案が出されると、日産は同協定の一部を有報で開示する考えを示していた。一方、ルノーは仏当局に提出した書類で同協定の内容を既に一部開示していた。

  日産とルノーは経営難に陥っていた日産がルノーの出資を受け入れた1999年3月に初めてアライアンスに関する協定を締結。その後、名称が変更され、直近の改訂は2015年12月に行われていた。

  日産は有報で、「ルノーとの経営上の重要な契約については、ガバナンス向上、透明性の向上の観点から契約上の守秘義務に抵触しない範囲で」開示することにしたと、今回の公表の背景について説明した。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、開示された内容を見る限りでは「特に日産だけが不利な条件に置かれていたとは思わない」と指摘。その上で、守秘義務に抵触しない範囲での公表となったため、「本当にこれで全部なのか」という疑問は残るとも語った。

  一方、日産の有報では報酬額が1億円以上だった役員7人についても開示された。内田誠社長の報酬は4億9700万円と前の期の3億2700万円から上昇。アシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)は4億9900万円(前の期は3億6300万円)だった。

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(協定に関する背景情報を追加して更新します)
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