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シンガポールの家賃高騰、外国人駐在員に衝撃ー賃貸巡る詐欺も招く

  • 家賃急騰を受け、賃貸契約を更新しないことを決めた住人もいる
  • シンガポールの金融ハブとしての魅力が低下している

カナダ人駐在員のミシェルさんが5月にシンガポールにある3階建て住宅の賃貸契約を更新しに行った時、家主は家賃の約40%引き上げを要求してきた。

  ミシェルさんは交渉を試みたが、家主は月額家賃1万シンガポール・ドル(約97万6000円)を提示したまま譲らなかった。結局、来月に家族を連れて3ベッドルームのアパートに引っ越すことになった。「自分が借りられる場所を選んだ」とミシェルさんは自らのビジネスに与える影響を懸念してフルネームを明かさずに語った。 

  シンガポールでは、特に外国人駐在員に好まれる一等地で家賃が急騰している。地元の人々や新規移住者の需要が急増しているにもかかわらず、新型コロナウイルス感染拡大のため供給が遅れているためだ。ブルームバーグがインタビューした10の不動産業者によると、外国人駐在員が賃借している民間物件の家賃は平均で20ー40%上昇しており、以前の2倍の家賃を要求する家主もいる。

Rent Rush

Average high-end rates have risen by 20%-40% in Singapore

Source: PropertyGuru

  シンガポールの駐在員の給料は平均より高く、生活費が上昇しても最悪の打撃に見舞われるわけではない。しかし、それによってシンガポールの人材を引きつける魅力は他の金融・ビジネスハブと比較して低下している。

  シティプロップ・プロパティー・マネジメントのディレクター兼オーナー、ジュリエット・スタナード氏は、シンガポールの家賃は「既に高いが、今回は多くの人にとって転換点となるだろう」と指摘。「家賃の50%上昇を受け入れる余裕がある人などいない。こんな状況は持続可能ではない」と述べた。

  1月にセントーサ島の高級住宅地にある物件の提示家賃は2万6000シンガポール・ドルから3万7000シンガポール・ドルと、1日で1万1000シンガポール・ドルも跳ね上がったと、プロップネックス・レアルティーのナビン・バフナ氏が明らかにした。

Aerials Of The Lion City As Gross Domestic Product Contracts Most Since 2012
セントーサ島の高級住宅地
Photographer: Darren Soh/Bloomberg

  市場の過熱は、不動産業者を装った人が虚偽のオンラインの物件を利用して手付金をだまし取ろうとする賃貸を巡る詐欺も引き起こしている。シンガポール警察によると、年初から5月までに少なくとも547人がこうした詐欺の被害に遭っており、被害額は少なくとも160万シンガポール・ドルに上っている。

シンガポールの家賃が6年ぶり高水準、外国人駐在員の住宅問題深刻化

原題:

Singapore’s Surging Rents Shock Expats and Encourage Scammers(抜粋)

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