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金融庁、ESG専門人材の育成強化は「喫緊の課題」-報告書原案

  • 人材の厚み獲得へ、就学期の学生に対する知見の提供が必要
  • 業界も動く、証券外務員試験では7月以降にサステナ金融分野が追加
金融庁が入るビル

金融庁が入るビル

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

金融庁のサステナブルファイナンス有識者会議は27日、これまでの議論の進捗(しんちょく)や今後の課題をまとめた報告書の原案を公表した。脱炭素の取り組みが重要性を増す中で、金融分野でもESG(環境・社会・企業統治)関連の専門人材の育成に注力する必要があるとの認識を示した。

  有識者会議は2021年6月、政府がカーボンニュートラル目標を掲げたことを受け、サステナビリティー情報の開示促進などを盛り込んだ報告書を取りまとめたが、今回はそれに続く第2弾との位置付け。

  原案では、サステナブルファイナンスの推進に当たっては「専門知見を有する人材の育成・充実が、喫緊の課題」と明記。将来的に人材の厚みを増していくためには、実務に加わる前の就学期から、関心のある学生に知見を提供する取り組みを進めるべきだと指摘した。

  人材育成を巡っては、民間の一部で動きが出始めている。日本証券業協会では、22年7月以降、金融商品の販売や勧誘を行うために必要な外務員資格試験の出題範囲に、サステナブルファイナンスに関する内容を追加する。原案によれば他にも、別の金融関係団体がESGに特化した資格試験の立ち上げを検討しているという。

  民間だけではなく、金融庁でも外部から人材を積極的に登用するなどし、役所内の専門家の拡充を図る方針だ。

  また、原案では機関投資家の中でも年金基金などのアセットオーナーがESGを考慮することの重要性を改めて示した。この分野で最も知られた考え方の一つに国連の責任投資原則(PRI)があるが、日本の年金基金の署名は遅れている現状がある。

  金融庁の担当者は、PRIへの署名をとりわけ勧める立場にはないものの、ESG投資へのコミットメントを示すための象徴的な行為であり、署名も含めたさまざまな方策が検討されることを期待したいと話した。

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