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電力需給逼迫、企業は節電対応追われる-東電管内注意報は28日も

更新日時
  • 広域機関は関西電など4社に東電向け供給指示-約91万キロワット
  • 経産省は28日も電力需給逼迫注意報を継続、厳しい暑さの見込み
A pedestrian is silhouetted while walking past a 7-Eleven convenience store, operated by Seven & i Holdings Co., at night in Tokyo, Japan, on Friday, Jan. 10, 2020. 

A pedestrian is silhouetted while walking past a 7-Eleven convenience store, operated by Seven & i Holdings Co., at night in Tokyo, Japan, on Friday, Jan. 10, 2020. 

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日本政府が初の電力需給逼迫(ひっぱく)注意報を発令した27日、東京電力ホールディングス管内に営業・生産拠点を持つ企業各社は節電対応に追われた。

  セブン&アイ・ホールディングスでは、コンビニエンスストアチェーンのセブンイレブンで電力の逼迫が予測される午後3時から6時にかけて各店舗の作業スケジュールを見直した。揚げ物を調理するフライヤーの仕込みやドリンク類の補充などについて前後の時間に振り分けるほか、電源管理も徹底するという。対象は首都圏中心に1都8県の約8800店舗。 

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Source: Bloomberg

  家電量販店チェーンのヤマダホールディングスは、今後の全国規模の高温継続に伴う電力需給逼迫を見据え、27日から全国のヤマダデンキ、ベスト電器、マツヤデンキなどの店舗で節電対応を実施すると発表した。テレビや照明のほか、エアコンや扇風機など展示商品の通電を8割減少させ、店内の空調温度を26-28度に設定、倉庫や事務所などの消灯を徹底するという。

  経団連は電気事業連合会から東電管内で午後3時-6時の節電協力依頼を受けたことを踏まえ、会員企業に不要な照明の消灯など節電への協力を呼び掛けた。

  ソフトバンクの電力小売り事業「ソフトバンクでんき」では、220万世帯の契約者に対しアプリを通じて節電を依頼し、成功すればペイペイポイントを付与するというゲーム感覚でユーザーが節電に挑戦できる仕組みを従来から行っている。

  同社広報担当の白井綾香氏によると、同注意報が出ていることから、きょう午後3時から4時半までの使用量が、過去数日間の平均よりも少なければ、通常より多い最大10ポイント(1ポイント=1円分)を付与することにしたという。

  経済産業省は27日午後、厳しい暑さが見込まれる28日も電力需給逼迫注意報を継続すると発表した。火力発電の増出力や他の電力会社からの電力融通などあらゆる供給力対策を実施する予定だが、夕方の時間帯を中心に予備率が5%を下回るなど厳しい需給が続く見込みだとしている。

その他の主要企業の節電対応状況(各社広報発表)
  • ソニーグループ
    • オフィスの照明の照度抑制や間引き点灯を行うほか、一部拠点でソニーのロゴサインを消灯するなど通常の節電対応を継続
    • 家庭用ゲーム機「プレイステーション」などを生産する木更津工場(千葉県木更津市)は通常通り操業
  • 日産自動車
    • 各事業所に対して支障のない範囲での節電を呼び掛けている
  • NTT
    • リモートワークを積極的に行うなど社員への節電呼び掛けを周知する予定
  • 東芝
    • すでに10日の経産省からの節電要請に応じた対応を継続中
  • ルネサスエレクトロニクス
    • オフィスではこまめに電源を消したりするなどの通常の範囲内での節電対応を継続
    • 半導体工場は24時間稼働しており、節電対応は厳しい
  • SUBARU(スバル)
    • 午後3時-6時は本社の照明の3分の1を消灯し、オフィスのエアコンの温度設定を通常の27度から28度に切り替える
    • 工場の操業環境に変更なし

  27日は供給側も対応に動いた。国内最大の発電事業者JERAは補修作業を調整した常陸那珂火力1号や南横浜火力のほか、広野や品川、千葉、袖ケ浦、富津などで合計52万9000キロワット(kW)の増出力運転を実施。長期計画停止中だった姉崎火力5号機の運転再開を29日に前倒しすることも決めた

  同時にJERAは、夏季重負荷期(7-9月)の需給対策もまとめ、火力発電所の補修点検時期について極力夏季を避けて計画するほか、建設中の武豊火力5号機(営業運転開始予定は8月、107万kW)、姉崎火力新1号機(同23年2月、65万kW)の工事進展などを盛り込んだ。

  電力広域的運営推進機関(OCCTO)は27日、東電管内向けの供給を確保するため、関西電力送配電や中部電力パワーグリッドなど4社に東京電力パワーグリッド(東電PG)への電気供給を指示したと発表した。これにより、東電PGは4社から同日午前10時半から午後8時の間に、大型原発1基分の発電能力に相当する最大91万2100キロワットの供給を受ける。

  東電PGが公表する午後0時20分時点のでんき予報では東京エリアの使用率は午後4時台に96%になる見通しだったが、電力の融通が受けられることになったため同時間帯の使用率は改善した。

  注意報の発令は、3月の電力需給逼迫を踏まえ逼迫の可能性を事前に広く周知するために、広域予備率が5%を下回ると見込まれる場合に前日午後4時ごろをめどに発令する制度。実際に発令されるのは5月に設けられてから初めて。

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(経済産業省の発表情報を更新し、JERAの対応を追記します)
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