GPIFの21年度収益率、2年連続のプラスと推計-モルガンMUFG
氏兼敬子世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2021年度の運用収益率が2年連続でプラスになったと、モルガン・スタンレーMUFG証券は推計している。新型コロナウイルス禍から経済活動が正常化へ向かう中、世界的な株高や円安が寄与した。
同証券株式統括本部でエグゼクティブ・ディレクターを務める岩尾洋平氏の試算によると、21年度の収益率は5.63%となった。資産別では、外国株が19.14%と最も高く、次いで外国債券が3.16%と予想。外国債券は米欧金利が上昇したものの、円安が追い風となった。一方、国内債券はマイナスを見込んでいる。
年金積立金全体の資産額は3月末時点で約199兆1930億円と予想。12月末は200兆8295億円だった。
収益率予想 | 年金積立金全体 | 国内債券 | 国内株式 | 外国債券 | 外国株式 |
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2021年度 | 5.63% | -1.18% | 2.17% | 3.16% | 19.14% |
1-3月 | -0.82% | -1.73% | -1.17% | -0.38% | 0.00% |
出所:モルガン・スタンレーMUFG証券(年金特別会計で管理する積立金を含めた年金積立金全体の資産額を基に試算)
先進国と新興国の株式で構成されるMSCIオールカントリーワールド指数は21年度に5.7%上昇。経済活動再開による景気回復と好調な企業業績を背景に、米国ではS&P500種株価指数が1月に過去最高値を付けた。円は対ドルで9%、対ユーロで3.6%それぞれ下落した。
一方、四半期ベースでは、モルガンMUFGは1-3月の収益率をマイナス0.82%と試算。3月末時点の資産構成割合は、国内債券と外国株が12月末と比べて低下した一方、外国債券は上昇したとみている。GPIFは、国内外の債券と株式に25%ずつ振り向ける基本ポートフォリオに基づき運用を行っている。
GPIFは21年度の第4四半期と通期の運用状況を7月1日に公表する。
年金積立金全体の 資産構成割合 | 国内債券 | 国内株式 | 外国債券 | 外国株式 |
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22年3月末(予想) | 24.87% | 24.93% | 25.07% | 25.13% |
21年12月末実績 | 24.95% | 24.92% | 24.46% | 25.68% |
出所:モルガン・スタンレーMUFG証券の試算、12月末実績はGPIF
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