来週のドル・円は下落か、景気減速懸念が重し-月末が波乱要因にも
酒井大輔来週のドル・円相場は軟調な展開となりそうだ。欧米の景況感悪化を受けて、高インフレ下での景気減速懸念が浮上。リスク回避的な動きが強まる可能性があり、円の買い戻し圧力が高まりそうだ。ただ、月末や四半期末、半期末のリバランスが波乱リスクになるとの声も聞かれた。
ドル・円 | データは午後1時45分現在 |
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週間予想 (ブルームバーグ 為替レート予想モデル) | 1ドル=132円13銭~137円26銭 |
1週間物予想変動率 | 12.6300% |
1週間物リスクリバーサル | 0.9150%の円コールオーバー |

市場関係者の見方
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクター
- 来週のドル・円は132円方向に下落する展開を見込んでいる。欧米の購買担当者指数(PMI)悪化が示唆するように、高インフレ・低成長となっていく公算が大きい中で、リスク資産は下げやすい状況が続いている
- 中期的にはリスクオフという展開の中でドル・円の下値リスクはありそう
- 米金利も積極的な利上げへの期待がやや緩む中、経済指標の悪化という材料を伴って下向きになりつつある。金曜日のISM製造業景況指数が弱い結果になる可能性が意識されることも米金利低下、ドル・円の押し下げ要因といえる
- ただ、6月末は四半期末、欧米では半期末とカレンダー要因がリスク。リバランスのドル買いが、弱含みで推移するドル・円を135円台へ戻す可能性がある
来週の注目イベント
- 6月27日ー29日:欧州中央銀行主催のフォーラム(ポルトガル・シントラ)
- 29日にはラガルドECB総裁、ベイリー英中銀総裁、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長らがパネル討論会
来週の主な予定
- 6月27日:
- 米5月耐久財受注、米6月ダラス連銀製造業活動指数、米5年国債入札、米2年国債入札
- 28日:
- 米6月消費者信頼感指数、6月リッチモンド連銀製造業指数、米7年国債入札
- 29日:
- 豪5月小売売上高、米1ー3月期GDP確定値
- 30日:
- 中国6月製造業PMI、米5月個人所得および個人消費、同PCEコアデフレーター
- 7月1日:
- 日銀短観、中国6月財新製造業PMI、米6月ISM製造業景況指数
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