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国債利回りがスワップ対比高止まり、日銀YCC受けた先物機能低下で

日本銀行が金融緩和維持の姿勢を明確にしているのにもかかわらず、国債利回りはスワップレートに対して高止まっている。国債の下落リスク回避などに使えるはずの債券先物が、日銀によるイールドカーブコントロール(YCC)の積極対応で機能低下しているためだ。リスクに対する上乗せ金利を求める動きが反映されていると市場関係者はみている。

  今週の5年国債入札と20年国債入札では落札利回りが2016年1月のマイナス金利政策導入以来の最高水準となった。先週末以降の国債利回りと同年限のスワップレートの推移を比較すると、5年物で16ベーシスポイント(bp)程度、20年物で13bp程度、国債利回りの方がスワップレートに比べて割高になっている。

  みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは、先物によるヘッジの困難さと国債入札への懸念が尾を引いていると指摘。「債券消化に対する不確実性やボラティリティーの上昇と、それを前提としたリスクプレミアム(上乗せ金利)を、ある程度恒常的に定着させようとする動きに見える」と言う。

国債利回りとスワップレートの格差の推移
 
 

  先物中心限月の9月物は15日に2円を超す急落となった。海外投資家を中心にした日銀のYCC修正期待が背景だ。日銀は先物決済に使われる残存7年程度のチーペスト(受け渡し適格最割安)銘柄を利回り0.25%で無制限に買い入れる指し値オペを導入し、先物安で起きた現物債利回りの上昇を抑えにかかった。その結果、先物は現物よりも割安な状態となり、ヘッジ機能が低下。先物の取引高は年初来の最低水準まで急減した。

  日銀は金融機関にチーペストを貸し出す際の要件を緩和し、先物とチーペーストの裁定取引を促す形で、先物を買い戻させようとしている。みずほ証券の丹治氏は、先物とチーペストのかい離が収束すれば、国債利回りへの低下圧力やリスクプレミアムのはく落につながる可能性があるとみている。

 

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