日本株上昇、米金利低下や商品市況安を好感-電機や精密株が高い
長谷川敏郎
更新日時
東京株式相場は上昇し、TOPIXは3日ぶり反発。米国の金利低下や商品市況安に伴うインフレ圧力の一服を好感し、電機や精密機器など輸出関連の一角、化学やガラス・土石といった素材、海運株中心に買われた。医薬品や小売りなど内需関連も堅調。
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市場関係者の見方
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト
- パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で足元の一連のイベントを終え、世界の株式市場は先週の急落が激しかっただけに小康状態からの買い戻しや値ごろ感からの押し目買いが入っている
- しかし、FRBはインフレのピーク感が台頭しなければ粛々と大幅利上げを行っていくと宣言しており、米欧の製造業購買担当者指数(PMI)が急低下したことも考えると中長期的には依然楽観できる状況にはない
- 足元はあくまで戻り限定のテクニカルリバウンドだと認識しておく必要がある。米金利低下は日本株を支えてきた円安効果が薄れる要素もある
セゾン投信の瀬下哲雄マルチマネージャー運用部長
- 昨日の米国ではパウエルFRB議長の発言がタカ派的過ぎるため景気後退するのではないかと金利が下がる一方、企業の業績見通しは下方修正されていないので結果的に株価が上がった
- ただ、低金利と良い業績というのは結局は両立しないため、そのロジックからは株式市場はもう少し調整に入る可能性
- 日本株自体は経済再開でポジティブな感じだが、米国株が不安定で典型的にはリスクオンにはならない
東証33業種
上昇率上位 | 海運、化学、サービス、電機、精密機器、医薬品、小売り |
下落率上位 | 石油・石炭製品、保険、銀行、不動産、輸送用機器 |
背景
- 23日の米10年債利回りは3.09%と7ベーシスポイント低下-リセッション懸念が強まる
- 23日のニューヨーク原油先物は1.8%安の1バレル=104.27ドルと続落
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