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「為替介入の可能性排除できない」と中尾元財務官、円が上昇

更新日時
  • 協調介入「極めて難しい」、当局者とは話しておらず個人的な見解
  • 外貨準備は投機的動き抑えるため、単独介入も「ある程度役に立つ」

元財務官でみずほリサーチ&テクノロジーズの中尾武彦理事長は23日、円が対ドルで24年ぶり安値を更新する中、「為替介入の可能性は排除できない」との見解を示した。ブルームバーグテレビジョンとの英語インタビューで述べた。

  米国との協調介入については「極めて難しい」と語った。日本の当局者とは話しておらず、個人的な見解だという。

Day Three Of The World Economic Forum (WEF) 2018
中尾武彦氏
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  中尾氏の発言後、外国為替市場では円が対ドルで1ドル=135円台前半に上昇した。発言前は135円台後半で推移していた。

  中尾氏は番組前の日本語での取材に対し、外貨準備は「自国通貨がアタックされて急速に為替が安くなったりするときのために持っている」と指摘。単独の介入でも、投機的な動きを抑えるために「ある程度役に立つ」と語った。

  中尾氏が財務官在職中(2011年8月-13年3月)に円が戦後最高値の75円台を付けた際、政府・日本銀行は円売り介入を実施した。

  米当局は介入に対して「直ちに非難しない」「黙認する」「許容する」といったレベルで反応するが、当時は「サポートはしないが、直ちに非難はしなかった」と振り返った。米国はむしろ他国による自国通貨安誘導の方を嫌うため、「ドル買い介入の方が一般的に難しい」とも語った。

  政府と日銀が3者会合を開き、急速な円安進行に対して憂慮を表明した10日、米財務省は外国為替報告書で、日本を監視対象国に引き続き指定した。為替介入は「適切な事前協議を伴う、非常に例外的な状況に限定されるべきだ」と従来の表現を用いて介入をけん制している。

中尾元財務官の発言後に円が上昇
 
 

  日銀が海外中央銀行による相次ぐ利上げの潮流に乗らず、6月の金融政策決定会合で緩和策の維持を決めたことを受け、為替市場では円売り圧力が強まった。22日には136円71銭と24年ぶりの安値を更新。円安が物価上昇に拍車をかける状況で迎える7月の参院選は、日銀の金融政策も争点となっている。

  中尾氏は、「今の円安は金融政策のスタンスの差に応じた行き過ぎた動きだ」と指摘。円安に加え、財政規律の緩み、金融機関の収益、市場機能の低下など、緩和継続に伴う負の側面が出てきているという。政策変更の内容や時期については「難しい判断だとしか言えない」と語った。

  円安は日本経済にプラスという考え方に関しては、「明らかに間違っている」と主張。自国通貨安によってドル建ての所得や資産価格が下がり「日本は貧しくなった」と語った。日本にとって最悪のシナリオは「円が売られ、株が売られ、国債が売られ、金利が急上昇して、国債が売れなくなってロールオーバー(借り換え)ができなくなる状況だ」と述べた。

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