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マレリの再建協議大詰め、混乱避けられるか-あす第3回債権者会議

  • 現時点で再生計画案への反対はなく、資金繰りにも問題なし-関係者
  • 負債総額1兆円超の大型案件、法改正で法的整理でも軟着陸可能か
A logo displayed atop the Marelli Corp. headquarters and R&D Center in Saitama.

A logo displayed atop the Marelli Corp. headquarters and R&D Center in Saitama.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

1兆円以上の負債を抱え、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)での経営再建を目指している大手自動車部品メーカー、マレリホールディングス(非上場)は、再生計画案の最終的な決議を諮る場と位置付けられる第3回債権者会議を24日に開催する。

  非公開の情報のため匿名を条件に話した複数の関係者によると、大詰め段階にある現時点では中国など海外の金融機関も含めて大きな反対は出ておらず、またマレリの当面の資金繰りにも問題はない状況という。同日午後に都内で開催される会議では計画通り決議される可能性が高い状況だが、成立には全員の賛同が必要なため最後まで予断を許さないという。

  マレリ広報担当の渡辺宏氏は今回の会議で再生計画案への「合意成立を目指して全力で取り組む」と述べ、その他の詳細についてはコメントを控えた。

  私的整理は経営が悪化した企業が、債権者と話し合いを通じた合意に基づいて債務の圧縮を図り再建を目指す手続き。経済産業省の資料によると、ADRの成立には債権者全員の同意が必要で、1人でも同意しなければ民事再生法や会社更生法の適用など法的整理に移行し、裁判所の管理下で再建や清算の手続きに入ることになる。

  だが、昨年施行された改正産業競争力強化法では、法的整理への移行を抑止するため、事業再生ADRで5分の3以上の債権者(金額ベース)が再生計画に同意した場合、ADRが不調に終わって民事再生の一種である簡易再生など法的整理に移行する際、ADRで協議されていた再生計画が考慮されるとの規定が追加された。

  倒産情報を扱う東京商工リサーチ情報本部の原田三寛部長は、マレリの案件は債務規模が巨額なため、法的整理となれば「雇用やサプライチェーンに対しての影響が大きすぎる」と指摘。上海のロックダウン(都市封鎖)で自動車メーカーの生産が大きく落ち込むなど自動車部品メーカーの経営環境が大きく変化する中、マレリの再建計画の前提に変化が生じていないかを懸念しているという。

ごね得通さぬ

  一方、産業競争力強化法の改正により、従来あったような一部の債権者によるごね得が通りにくい仕組みになり、仮に法的整理に移行したとしてもADRが成立した場合と同じような手続きになり、混乱を避けられる可能性もあると述べた。

  日産自動車の主要サプライヤーだったカルソニックカンセイを前身とするマレリは、新型コロナウイルス感染拡大後の自動車生産停滞などの影響で業績が大幅に悪化。金融機関に対する負債額は1兆1000億円を超える規模となり、3月にADR手続きを申請。5月に現在の株主であるKKRをスポンサーとする再生計画案を公表して、債権者の同意取り付けを目指していた。

  マレリが金融機関に要請した債権放棄など金融支援の総額は4500億円で、一部債務の株式化(DES)が含まれる。負担額は債権者ごとの融資額の割合に応じて均等に配分するプロラタ方式とする。KKRは既存出資分の約2000億円を全額消却した上で6億5000万ドル(約886億円)の第三者割当増資を引き受ける。

  過去のADRの事例では第3回会議でも合意にいたらず、追加で会合を開いて協議を重ねるケースもあった。

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