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【ウクライナ】ロシアの侵攻で経済の半分が機能不全-ゼレンスキー氏

更新日時
  • EU、ウクライナの加盟国候補国の地位認定について今週決定へ
  • スウェーデン、フィンランドがトルコとのNATO協議で一定の進展

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ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアの侵攻によって国内経済のほぼ半分が活動を停止したと指摘、今後も世界食糧危機の深刻なリスクを呈することになると警告した。

  欧州委員会のボレル副委員長(外交安全保障上級代表)は、ロシアの侵攻がもたらしたウクライナ産穀物の輸入障害は「争う余地のない戦争犯罪」に相当すると非難した。国連の世界食糧計画(WFP)は、世界的な飢餓の拡大に対応して難民への食料配給を削減しているという。

  欧州連合(EU)27カ国は今週、ウクライナの加盟国候補国の地位認定について決定を下す。当初は認定に懐疑的だった幾つかの国も20日には支持に回り、必要とされる全加盟国の承認に一歩近づいた。

 

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破壊された建物を調査するウクライナの兵士(17日、ウクライナ・リシチャンスク郊外で)
 (Photo by ARIS MESSINIS / AFP) (Photo by ARIS MESSINIS/AFP via Getty Images)

 

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

スウェーデン、フィンランドがNATO加盟申請巡りトルコと協議

  スウェーデンとフィンランドの高官は、北大西洋条約機構(NATO)加盟申請を巡りトルコと5時間にわたって協議し、一定の進展にこぎ着けた。フィンランドの首席交渉担当者が明らかにした。両国のNATO加盟についてトルコは安全保障上の懸念があるとして反対している。

ウクライナ、港の封鎖解除に向けた協議で進展なし

  ゼレンスキー大統領はアフリカ連合(AU)総会で演説し、穀物輸出再開や世界的な食糧安全保障へのウクライナの取り組みを説明。黒海の港の封鎖を解除し、穀物輸出を可能にするため「困難な複数レベルの協議」を進めているものの、進展は見られないと述べた。

EU、ウクライナへの90億ユーロの金融支援策定で大詰め

  欧州連合(EU)は数日内に90億ユーロ(約1兆2800億円)規模のウクライナ向け金融支援策の詳細を確定する見通しだ。EUは23、24日に首脳会議を行い、ウクライナの復興計画やEU加盟国候補国の地位認定について話し合う。

ウクライナ経済の半分が機能せず-ゼレンスキー大統領

  ゼレンスキー大統領はウクライナの「経済や経済システムの約半分が稼働していない」と述べ、同国経済に壊滅的な打撃を及ぼしたロシアの侵攻を非難した。大統領はイタリアのミラノで行われたイベントにバーチャル形式で参加し、ウクライナでは「正常な経済生活」を送ることが不可能だと語った。

  大統領は「イタリア経済の半分が封鎖された状況を想像してもらいたい」と訴え、経済力のある国に兵器供与を求めるとともに、この戦争が世界的な食糧危機を招く恐れがあると警告した。

ウクライナ、破壊したロシア軍戦車を欧州各都市で展示へ

  ウクライナは破壊したロシア軍の車両を欧州各都市で展示する計画だ。戦争への欧州市民の注意をつなぎ止める狙い。展示はまずワルシャワで行い、ベルリン、パリ、マドリード、リスボンと続ける。レズニコフ国防相が明らかにした。ウクライナは2月の戦争開始以降、ロシア軍の戦車を1477両前後、装甲車両を3588台破壊したと主張している。

ロシア・ルーブルが対ドルで上昇、7年ぶり高値

  20日の外国為替市場で、ロシア・ルーブルがドルに対して上昇し、2015年7月以来の高値を付けた。ルーブル高は同国の輸出競争力や政府の財政を損ねるとしてロシア中央銀行は懸念しつつある。

ロシア・ルーブルが対ドルで上昇、7年ぶり高値-年初来で35%高

ロシアのガスプロム、サムライ債の利払いを予定通り実施-関係者

  ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムが20日、2018年に発行したサムライ債の利払いを実施した。複数の関係者が明らかにした。

ロシアのガスプロム、サムライ債の利払いを予定通り実施-関係者

ロシア産原油、5月も中国の輸入拡大

  中国は5月も引き続きロシア産エネルギー製品の輸入を拡大した。原油購入額は74億7000万ドル(約1兆円)と過去最高を記録。前月比で約10億ドル増加し、1年前の2倍の水準となった。

ロシア産原油、5月も中国の輸入拡大-購入額は過去最高の約75億ドル

EUの決断を控えた「歴史的な1週間」-ゼレンスキー大統領

  欧州連合(EU)は、ウクライナに加盟候補国としての立場を認めるかどうかについて今週決断を下す。フランスとイタリア、ドイツの首脳は候補国として認定することを支持すると表明しているが、27加盟国の全てが同意する必要がある。

  ゼレンスキー大統領は19日夜のテレビ演説で、「明日は真に歴史的な1週間の始まりだ」と発言した。

原油相場反発、トレーダーは需要見通しを材料視

  ニューヨーク原油先物相場はアジア時間20日の取引で上昇。積極的な米金融引き締めをきっかけに景気が鈍化する可能性より、短期的な需要増加の見通しが市場で重視された。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)7月限は1バレル=110ドルを上回った。

NY原油反発、短期の需要増加見通しを材料視-景気鈍化懸念より

ドイツ化学業界、ガス供給の確保求める

  ドイツ化学工業協会(VCI)は、ロシアからの供給減を受けて、天然ガスを他の燃料に置き換えるため「あらゆる機会を活用」するよう呼び掛け、ガス火力発電を石炭発電に切り替えることを求めた。

  化学・医薬品業界はドイツ国内で最も多い15%の天然ガスを消費しているが、現時点では深刻な供給問題に直面していないとVCIは発表資料で説明した。

ウクライナの今年の穀物収穫量、43%減少も

  ウクライナの今年の穀物・油糧種子の収穫量は、ロシアによる軍事侵攻や一部地域占拠の影響で6000万トンにとどまり、前年の1億600万トンを43%下回ると見通しだ。農業次官がテレビインタビューで明らかにした。

  2月下旬にロシアが軍事侵攻しウクライナの港からの出荷を阻止し始めて以来、穀物・油糧種子の輸出は400万トンにとどまっているという。平時の船積み量は月間500万-600万トン。

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オデーサ州イズマイール近郊の小麦収穫(14日)
Photographer: OLEKSANDR GIMANOV/AFP

ロシア、巡航ミサイルでウクライナの標的攻撃

  ロシア国防省の報道官は、ウクライナ軍司令官の会合が行われていた東部ドニプロペトロウシクの村の近くの標的などに海洋発射巡航ミサイル(SLCM)「カリブル」を命中させたと発表した。これについてはウクライナ側はコメントしておらず、ブルームバーグも独自に確認できていない。

英陸軍トップ、ロシアについて警告

  英陸軍トップに13日に就任したパトリック・サンダース大将は、「同盟国と共に戦い、ロシアを戦闘で打ち負かす」能力を構築することが重要だとするメッセージを軍に伝えた。英紙サンが報じたもので、「われわれは再び欧州で戦うために陸軍を備えさせなければならない世代だ」と述べたという。

ガスの状況は深刻-ドイツ経済相

  ドイツのハーベック経済・気候保護相は、政府がガス貯蔵水準を引き上げるための措置を講じていると電子メールでコメントした。

  同相は「供給の安全は現時点で保証されているが、状況は深刻だ」と説明。ガス消費をさらに減らし、より多くを貯蔵に回さなければ、「冬季に状況は一層厳しくなる」と指摘した。

ドイツ、ガス貯蔵量拡大に向け取り組み強化-ロシアからの供給削減で

Tour of Uniper SE Bierwang Natural Gas Storage Facility
ドイツ・ミュールドルフの天然ガス貯蔵施設
Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

 

原題:Ukraine Latest: War Knocks Almost Half of Economy Out of Action(抜粋)

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