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映画館のポップコーンや瓶ビールも、夏の消費を直撃する物不足の実情

  • 天候不順や新型コロナ、地政学的緊張、需要の戻りも波乱要因に
  • 企業経営者は生産・調達の方法・場所を再考する必要-ダーバ氏

今夏はポップコーンやシラチャーソースなど定番人気商品が飲食店や食料品店で品薄状態となっている。サプライチェーンへの圧力が世界的に続く状況をうかがわせる。

  最近数カ月はオーストラリアでレタス、日本で玉ネギとサラミ、ドイツで瓶ビールの価格が高騰したり、入手が困難になったりしており、企業は代替品の確保を急いでいる。

  これは製品そのものの不足というより世界的なサプライチェーンの障害に関係する問題だ。天候不順や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)、地政学的緊張の高まり、需要の戻りも波乱要因だ。

  ボトルやアルミ缶を十分生産できなければ、炭酸飲料やビールの購買力に影響が徐々に波及していく。輸送用コンテナの不足と労働市場の逼迫(ひっぱく)もサプライチェーンの重しだ。ロシアのウクライナ侵攻が問題を一段と悪化させ、穀物と食料油の供給網も遮断された。

  シラチャーソースは、唐辛子不足で製造元のフイフォンフーズが生産停止を余儀なくされている。消費者は買いだめに走り、「今年最悪のニュース」と嘆きの声も聞かれる。

Inside A Huy Fong Foods Inc. Sriracha Production Facility
フイフォンフーズの工場のシラチャーソース(カリフォルニア州)
Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

  ドイツのビール愛好家は瓶ビールのボトル不足に直面している。醸造メーカーはウクライナからガラスの供給を受けており、ロシアの侵攻が影響した。

  夏はヒット作で映画館がにぎわうシーズンだが、米国では映画館でのポップコーン不足が懸念されている。ポップコーンだけでなく、容器や紙袋も供給が足りていない。農家がトウモロコシ栽培をやめ、より採算の良い作物に乗り換える動きも一因のようだ。 

  オーストラリアではレタス不足で、ケンタッキーフライドチキン(KFC)がバーガーにキャベツを使用。一部地域で今年起きた深刻な洪水が影響したという。英国ではマクドナルドが使用するトマトスライスを従来の2切れから1切れに変更した。温室の暖房コスト高騰が響いた。

  日本のサイゼリアは、タイでの人手不足を理由に「柔らかチキンのチーズ焼き」の提供を取りやめた。アフリカ豚熱の発生が確認されたイタリアからの豚肉や豚肉製品の輸入停止に伴い、「熟成ミラノサラミ」も販売を終了した。

  クーパ・ソフトウエアのサプライチェーン戦略担当バイスプレジデント、マドハブ・ダーバ氏は、企業経営者は生産・調達の方法・場所を再考する必要があると提言。新たなテクノロジーとよりプランニングの改善を通じて、遅延の可能性や売り上げの逸失、不足に対応する「恒常的な消火活動」の軽減が可能になるだろうと指摘した。

原題:Shoppers Are Facing Shortages of Beer to Popcorn This Summer(抜粋)

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