来週のドル・円は上昇か、日銀据え置きで政策格差を意識-期末要因も
酒井大輔来週のドル・円相場は底堅い展開となりそうだ。米金融当局の利上げやスイス国立銀行の予想外の利上げ、日本銀行の緩和維持といったイベントを消化する中、金融政策の方向性を意識した円売り基調が継続。また四半期末が近づいており、リバランスによる米株買いがドルを支える可能性がある。
ドル・円 | データは午後3時40分現在 |
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週間予想 (ブルームバーグ 為替レート予想モデル) | 1ドル=130円63銭~136円97銭 |
1週間物予想変動率 | 15.7150% |
1週間物リスクリバーサル | 1.3325%の円コールオーバー |

市場関係者の見方
三菱UFJ銀行の関戸孝洋チーフジャパンストラテジスト
- 来週のドル・円相場は133円~136円のレンジで強気バイアスでみている。場合によっては136円を超える可能性もある
- 日銀決定会合は政策の微修正などの思惑に対してゼロ回答となった。その結果、金融政策の正常化を進める欧米との政策スタンスの格差から、ドル・円は上値を探る展開が続きそうだ
- 来週についてはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の半期議会証言があるものの、内容自体は米連邦公開市場委員会(FOMC)を踏襲したものになるとみられ、相場への影響は限定的になりそう
- 四半期末が近づいてきており、リバランスのフローなどが相場を支配しそう。足元で米株安が進行していることもあり、こうした資産の戻りが期待されることもクロス円を通じてドル・円に影響しそうだ
来週の注目イベント
- パウエルFRB議長が22日に上院銀行委員会で半期に1度の議会証言を行う。翌23日には下院金融サービス委員会で証言
- ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が20日に欧州議会の経済・金融問題委員会で冒頭声明を発表
- 雨宮日銀副総裁が24日に全国信用金庫大会であいさつ
来週の主な予定
- 21日:豪中銀金融政策理事会の議事録、米5月中古住宅販売件数
- 22日:日銀金融政策決定会合議事要旨(4月会合)、英5月物価統計、米20年国債入札
- 23日:米6月PMI、米5年インフレ連動債入札
- 24日:日本5月全国消費者物価指数、独6月Ifo企業景況感指数、米5月新築住宅販売件数
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