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日銀が緩和維持、海外中銀利上げでも独自路線継続-円乱高下

更新日時
  • 為替動向に異例の言及、経済・物価に与える影響を「十分注視」
  • フォワードガイダンスや連続指し値オペの運用方針も変化なし

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日本銀行は17日の金融政策決定会合で、現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。海外中央銀行による相次ぐ利上げの潮流に乗らず、円安や金利上昇といった市場の圧力に屈しなかった格好だ。

  声明文では、リスク要因として金融・為替市場の動向が経済・物価に与える影響を「十分注視する必要がある」との表記を加えた。為替への言及は、1ドル=80円を割り込む円高に見舞われた2011、12年以来。

  政策金利のフォワードガイダンス(指針)や連続指し値オペの運用方針にも変化はなかった。金融政策運営は、2%目標実現を目指し、安定的に持続するために必要な時点まで現行の緩和を継続するとし、感染症の影響を注視して必要があればちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じると改めて表明した。

  • 長短金利操作維持は賛成8・反対1
  • 10年金利0.25%での指し値オペを毎営業日実施
  • 企業の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努める
  • 政策金利は、現在の長短金利水準、またはそれを下回る水準での推移を想定

  日銀会合の結果発表を受けて、外国為替市場では円が乱高下している。発表直後は円売りが強まり、ドル・円相場は一時134円台後半まで円安が進んだ後、132円台前半まで円が急速に買い戻される場面も見られた。

円乱高下、日銀緩和維持で売り先行もその後反発-為替言及で思惑

円が日銀会合結果受け乱高下
 
 

  景気は、一部に弱めの動きが見られるが、「基調としては持ち直している」とし、先行きも回復していくとみられるとした。個人消費について「サービス消費を中心に持ち直している」に判断を引き上げた。

  消費者物価の前年比については「2%程度となっている」に上方修正した。予想物価上昇率は「短期を中心に上昇している」と分析した。

  野村証券の美和卓チーフエコノミストは、「予想通りで違和感ない決定」ではあるものの、「日本国内と海外でかなり温度差があり、特に海外の投資家の間で非常に修正期待値が高かったのは事実で、あまりにも変えなさ過ぎたという点で意外感があった」と指摘。金融・為替市場の動向や経済物価への影響を注視すると加えたものの、「市場から見ると十分ではないと判断されてしまった」と語った。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、黒田東彦総裁の任期中の金融緩和継続を予想。日米金利差が通貨安を招き物価を不安定にしているという認識が日銀内部にあるとみられ、新総裁の下では「政治からの圧力を受けてバズーカをやめるというのはあるかもしれない」と述べた。

Bank of Japan Headquarters
日本銀行本店
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  インフレ高進に対応して利上げを進める米国との金利差拡大を背景に、今週に入り一時1ドル=135円台まで円安が進んだ。債券市場では長期金利(10年金利)が日銀の許容上限の0.25%を超え、イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)の限界論も指摘される中、金融緩和の修正観測が浮上していた。

  黒田総裁は13日の国会答弁で、最近の急速な円安進行は「経済にマイナスで望ましくない」と指摘。日本経済は資源価格上昇で下押し圧力を受けており、「賃金の本格的な上昇を実現するためには、金融緩和を粘り強く続けて経済をしっかりサポートしていく必要がある」と述べた。「家計が値上げを受け入れている」との講演での発言は批判を浴び、その後撤回した。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は14、15日の会合で、1994年以来となる0.75%の大幅利上げを決めた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、7月の次回会合でも0.75%ないし0.5%の追加利上げが決定される可能性が高いと説明した。16日にはイングランド銀行が5会合連続、スイス国立銀行は予想外となる2007年以来の利上げをそれぞれ発表した。

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