異例の米75bp利上げ、円や日本国債など5点に注目-アジア市場
Ishika Mookerjee、Ruth Carson-
テクノロジー株や新興国の株式相場、インドネシア国債も焦点
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75bp利上げ、「普通になるとは見込んでいない」-FRB議長
米連邦公開市場委員会(FOMC)は15日、主要政策金利の75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げを決めた。1994年以来の大きな利上げ幅について、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が「普通になるとは見込んでいない」と述べたことを受け、16日のアジア金融市場では次の5点に注目が集まっている。
円弱気派
タカ派の米連邦準備制度とハト派の日本銀行というスタンスの相違が、24年ぶりのドル高・円安水準の一因となっている。日銀が16、17両日開く金融政策決定会合の結果次第では、新たなボラティリティーが生じる可能性もある。日銀が欧米の中央銀行と大きく異なる超緩和的政策を微調整するのではとの観測が強まっている。

テクノロジー株
パウエルFRB議長のタカ派色を薄めたような発言を受け、一定の安心感が広がり、これまで売り込まれていたアジアのテクノロジー株に押し目買いが入る可能性もある。
米株式相場は下げ一服、異例の大幅利上げ「普通」にならずと議長発言
円弱気派

日本国債
15日には日本国債先物が2013年4月以来の大幅な下落となり、大阪取引所は一時的に売買を停止する「ダイナミック・サーキット・ブレーカー」を発動。米連邦準備制度の積極的な利上げスタンスの中で、10年国債利回りを0.25%までに抑える政策が持続可能だと市場への説得を図る日銀は苦しい立場だ。
債券急落、先物が一時売買停止-日銀はチーペストの指し値オペを継続

新興国市場
ドルが15日の取引で下落し、世界的な株安に逆行する形で中国株が堅調なことから、アジア新興国市場の株式相場が追い風を受けかどうかが注目される。
Shrinking Appetite
Asia's tech-heavy stock markets are seeing foreign fund outflows
Source: Bloomberg
Note: Figures are based on the latest exchange data compiled by Bloomberg
インドネシア国債
アジアで最もリスクが高く米国の金利変動に最も敏感な国債の1つだとされるのがインドネシア国債だ。米利上げにインドネシア銀行(中央銀行)が23日の政策決定会合で追随するとの見方から、5年債の利回りは今週30bp余り上昇している。
原題:Five Pressure Points to Watch in Asia After Fed’s Uncommon 75(抜粋)