コンテンツにスキップする

NISAは一本化が必要、現制度は「複雑怪奇」-中野セゾン投信会長

  • 非課税投資枠の拡大や制度恒久化にとどめるべきではない
  • 国内企業の成長促すため日本株組み込みの義務化も選択肢

1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら

セゾン投信の中野晴啓会長兼最高経営責任者(CEO)は、岸田政権が「資産所得倍増プラン」で掲げる少額投資非課税制度(NISA)改革では、複雑で使いにくい制度の一本化を進める必要があるとの考えを示した。

  「現制度は複雑怪奇で、利用をためらう人が多い」。金融審議会市場部会のメンバーとして国民の資産形成の在り方を議論してきた中野氏はインタビューで、NISAが定着しない理由をこう説明した。改革に当たっては、非課税投資枠の拡大や制度の恒久化にとどまらず、複数あるNISAの一本化まで踏み込むべきだと述べた。

  政府は7日に閣議決定した「新しい資本主義」の実行計画に資産所得倍増プランの策定を盛り込んだ。個人金融資産のうち現金保有分の約1000兆円を投資に向ける手段としてNISAの抜本的拡充を挙げ、個人型確定拠出年金(iDeCo)改革と合わせ、今年末に総合的なプランをまとめる方針だ。

  株式や投資信託の配当や売却益が非課税となるNISAは、非課税投資枠や非課税期間の異なる3種類があるが、2024年以降は2階建ての構造となる。中野氏は、複雑な仕組みを解消して中低所得者が投資しやすい環境をつくることは「極めて高い確率で可能」とみている。

 2024年以降のNISA
非課税対象

1階:投資信託による分配金や譲渡金

2階:株式・投資信託による配当金・分配金等

非課税投資枠

1階:毎年20万円上限(最大100万円)

2階:毎年102万円上限(最大510万円)

非課税期間最長5年間
投資可能期間2024-28年

  中野氏は「日本の産業がもう一度戦える力をつけるには内需を拡大させるしかない」とし、給与所得が上がらない中、投資による金融所得は消費を喚起して内需をよみがえらせるための有効な手段になるとの見方を示した。

  「老後30年間で約2000万円が不足する」と試算した19年の金融審議会市場部会の報告書が反響を呼んだことは、資産形成の意識を変えた「成功事例だった」と指摘。「NISAによる積み立てで金融資産が平均で幾ら増えるか、国民につまびらかにすべきだ」と述べた。

  NISA改革に際しては、「一定の範囲内で日本株関連資産を組み込むことをマスト」にすることも選択肢に挙げた。実行計画は「企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を作る」と記したが、逆に日本株に資金を集めることで、国内企業の成長を促すサイクルも必要だとしている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE