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日銀のYCC限界論が浮上、長期国債市場で異変-対応可能との見方も

10年金利が日本銀行の許容する上限0.25%を一時超え、7年金利がそれをさらに上回るなど国債の長期ゾーンに異変が起きている。市場では日銀による長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)の効果に限界が出ているとの声が聞かれる。一方で、日銀が長期国債を無制限に買い入れ続ける中、経済合理性に従えばいずれ金利上昇は落ち着くとの見方も根強い。

  海外の高インフレを背景にした金利上昇圧力を抑えるため、日銀は長期金利の指標である10年国債を0.25%の利回りで無制限に買い入れる指し値オペを連日実施している。それでも長期金利は13日に2016年1月以来の高水準となる0.255%を記録。同オペの買い入れ対象ではない残存7年の国債利回りは0.3%まで上昇し、短い年限の金利が長い年限の金利を上回る逆転現象が起きている。東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは「日銀はむしろイールドカーブをゆがめており、コントロールしていない」と話す。

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  ブルーベイの最高投資責任者(CIO)、マーク・ダウディング氏(ロンドン在勤)はYCCは「維持不可能」とみており、「かなりの額の日本国債をショートしている」と言う。元ゴールドマン・サックス・グループのチーフ通貨エコノミスト、ジム・オニール氏やJPモルガン・アセット・マネジメントのシーマス・マクゴレーン氏は日銀が最終的に金利を巡る姿勢を転換させると予想している。

日銀が屈するまで日本国債をショート-ヘッジファンドのブルーベイ

  日銀は指し値オペに加え、定例の買い入れオペ増額や超長期の臨時オペを矢継ぎ早に通告し、金利上昇を抑制する姿勢を鮮明にしている。三菱モルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは「国債の現物市場は力づくで抑えられるかもしれないが、日銀の介入が及ばない先物相場や金利スワップ市場で、海外勢中心に金利上昇を予想した先物の売りやスワップの固定金利払いが出ることを止めることはできず、実態とかけ離れた市場になるリスクもある」と指摘する。 

  14日の長期国債先物市場では、朝方から急落していた中心限月9月物が日銀の追加の臨時オペ通知を受けていったんは下げ幅を縮小した。しかし相場は売り圧力が再び強まり、結局、前日比91銭安の147円59銭と大幅に下落した。

国債の買い入れに限界なしとの声

  一方、限界論には反論もある。みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは「10年金利が0.255%で取引が行われたことは、一部で指し値オペによる金利誘導の限界といった議論を巻き起こす可能性は否定できない」としながらも、日銀が無制限に0.25%で買い入れる中、「強いて市場で0.25%以上で売却する取引に経済合理性が存在するとは考えづらく、今後こういった動きが拡大していくことも想定しづらい」と言う。

  SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストも「日銀は国債買い入れを増やしたくはないだろうが、必要なら国債の買い入れに限界はない」とみている。

 

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