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正念場のESG投資、世界の株式ETFは5月に約6年ぶり資金純流出

  • 世界のESG特化型株式ETF、5月の純流出額は約270億円
  • 短期的小休止あっても長期的ESG投資の有用性変わらない-大和証

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ESG(環境・社会・企業統治)特化型の株式ETF(上場投資信託)向け資金フローは、5月に約6年ぶりに月間ベースで純流出に転じた。ロシアによるウクライナ侵攻などを背景に資源価格が高騰する中、パフォーマンスが良好なエネルギー関連株などに一時的に資金がシフトしているとの見方がある。

  ブルームバーグ・インテリジェンスのデータによると、世界のESG型株式ETFは5月の純流出額が2億ドル(約270億円)程度と、2016年7月以来の資金流出となった。

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世界のESG特化型株式ETF向け投資フロー
出所:ブルームバーグ・インテリジェンス

  大和証券の尾谷俊シニアストラテジストは、ESG投資ではアンダーウエートになりやすいエネルギー関連株のアウトパフォームが、一時的なESG離れの一因になっている可能性があると分析する。

一時的なESG離れも
 
 

  一方、ESG関連の債券ETFは5月に資金流入額が流出額を上回り、20年4月以降、資金純流入が継続している。尾谷氏は、「企業のアップサイドを価値の源泉とする株式よりも、企業破綻というダウンサイドの対価としてリターンを受け取る社債の方が、リスク軽減効果としてのESG投資の効用が高い可能性がある」と指摘する。

  その上で、尾谷氏は、「短期的な小休止期間があるものの、長期的にはESG投資の有用性というものは変わらない」とし、引き続き「ESG要素を投資に統合していくことが求められそうだ」と話した。

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世界のESG特化型債券ETF向け投資フロー
出所:ブルームバーグ・インテリジェンス

  気候変動関連のリスクが高まる中、国連はESG要素を考慮した投資を促す目的で、06年に世界の金融機関に向けて、責任投資原則(PRI)を提唱。署名した機関のは、5日時点で世界全体で4984に上っている。

  金融業界では、銀行間の国際的な連合ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)が50年までに投融資ポートフォリオでの温室効果ガス排出量実質ゼロ(ネットゼロ)を目指している。

  マニュライフ・インベストメント・マネジメントの押田俊輔クレジット調査部長は、投資家側がネットゼロを目指す動きを強める中で、ESG投資は「加速することこそあれ、後退することはない」と見込む。

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