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起債見送りなどが再び増加、北海道や沖縄電も-金利先高観強く

更新日時
  • 北海道が6月にも予定した起債延期、今週は沖縄電も10年債を見送る
  • 今後3カ月の社債スプレッド、拡大予想がなお優勢-みずほ証調査

国内発行体による新発債の発行延期や見送りなどが再び増えてきた。投資家の間で金利の先高観や社債スプレッド(国債上乗せ金利)拡大に対する警戒感が根強いためだ。

  北海道は7日、最速6月に予定していた20年定時償還債の起債を、足元の市場環境に鑑み延期することにした。主幹事の三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、次回の起債時期は未定。北海道は、投資家需要や市場動向に応じて機動的に年限や発行額などを決めるフレックス枠を活用し、100億円程度を発行する予定だった。

  ブルームバーグのまとめによると、5月下旬以降、大和ハウス工業、ソフトバンク沖縄電力、そして北海道と、少なくとも4つの発行体が市場環境の変化を理由に予定していた新発債の発行を見送ったり、年限を変更したりした。当初予定からの減額や水面下で年限を調整した例もある。このほか、三井化学も会社都合を理由に起債を延期した。

  国内債券市場では、世界的な金融引き締めや日本銀行のイールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)修正観測を背景に金利が急上昇した2-3月にかけ、10を超える企業が社債発行を延期した。その多くが新年度に入り発行を再開した一方で、ここにきて新たに発行予定を変更する事例が再び増えてきた。

  大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは、金融市場を取り巻く不透明感を背景に「発行体と投資家のマッチングが難しくなっている」と指摘。日銀が金融緩和を続ける姿勢を明確にする中でも、海外の状況を見ている投資家には疑心暗鬼が残り、「今のレートで社債投資をしなくてもいいと思っている」と述べた。

  みずほ証券が実施した6月の投資家動向調査によると、約4割の投資家が今後3カ月、国内社債スプレッドが拡大すると見通しているという。拡大予想から縮小予想を差し引いた値は、過去最大だった前回3月調査から高止まりしている。

  同証の聲高健吾クレジットアナリストは、ウクライナ情勢や主要中銀の金融政策、物価上昇が経済や企業業績に与える影響を巡る不透明感が依然として強いことを反映していると分析。スプレッド拡大が一服するまで新発債には「積極的に手を出しにくい状況が続いている」と話す。

国内社債の平均スプレッド推移
 
 

  代表的な債券指数の野村BPIによると、国内発行体による社債の平均スプレッドは昨年5月以来の高水準で推移している。

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(第5段落以降を追加しました)
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