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第一三共とアストラゼネカのエンハーツ、乳がん治療効果高める可能性

  • HER2低発現の乳がん患者の生存期間6カ月延ばす
  • エンハーツ投与の治療から恩恵受ける患者層が広がる公算
AstraZeneca’s Enhertu drug.
AstraZeneca’s Enhertu drug.

第一三共と英アストラゼネカが共同開発する「エンハーツ」について、HER2タンパクが低発現の乳がん患者の生存期間を約6カ月伸ばすことが第3相臨床試験で示された。シカゴで開催の米臨床腫瘍学会(ASCO)でデータが公表されたもので、エンハーツを投与する治療から恩恵を受ける患者層は広がる可能性がある。

  同データによると、エンハーツはこうした患者について、がんの病状悪化がない無増悪生存期間を平均10.1カ月と標準的な化学療法のグループ(5.4カ月)の約2倍にしたほか、全生存期間も23.9カ月と同グループ(17.5カ月)に比べ大幅改善させた。第3相臨床試験の結果は当初、2月に詳細抜きで発表され、HER2低発現乳がん患者の死亡リスク低減効果が初めて示された。

  HER2は多くのがん細胞表面に発現するタンパク質で、高発現の場合は抗体を介してがんの進行を止めたり遅らせることができる。しかし、HER2陰性に分類される患者の約55%は低発現。米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの腫瘍内科医シャヌ・モディ氏がインタビューで語ったところによると、この低発現の乳がん患者に効果があると証明された抗HER2療法は他にないため、こうした患者層に標準的な治療法となりそうだ。HER2陽性の患者向けには米国で承認済み。

  モディ氏はアストラゼネカと第一三共からコンサルティング料を受け取っている。

原題:Astra, Daiichi Drug Study Raises Hopes in Fighting Breast Cancer (抜粋)

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