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米雇用者数、5月は予想上回る39万人増-経済への楽観を示唆

更新日時
  • 失業率は3.6%で前月と変わらず、労働参加率は62.3%に上昇
  • 平均時給は前月比0.3%増、予想下回る-前年比では5.2%増に減速
A server cleans a table at a restaurant in Clemson, South Carolina.
A server cleans a table at a restaurant in Clemson, South Carolina. Photographer: Micah Green/Bloomberg

5月の米雇用は堅調なペースで増加した一方、賃金の伸びは抑えられた。猛烈なインフレに歯止めをかけようと米金融当局が急ピッチで政策金利を引き上げる姿勢を示す中、経済はなおも力強く前進することが示唆された。

キーポイント
  • 非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は5月に前月比39万人増加
    • ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は31万8000人増
    • 前月は43万6000人増(速報値42万8000人増)に上方修正
  • 家計調査に基づく5月の失業率は3.6%
    • 市場予想は3.5%、前月は3.6%
  • 労働参加率は62.3%に上昇
US employers kept hiring in May, unemployment rate held steady
上段:米非農業部門雇用者数(総計)、下段:米失業率
出所:米労働省

  統計では雇用主が必要な労働者を確保できていることが示された。賃金の伸びが2021年の大半で見られたような、より急速な増加ペースから鈍化したため、米経済はソフトランディングが可能との安心感が広がる可能性もある。

  平均時給は前月比で0.3%増加と、市場予想(0.4%増)を下回った。4月も0.3%増だった。前年同月比では5.2%増加し、4月の5.5%増加からペースを落とした。

 
Source: Bloomberg

  BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「米金融当局は複雑な思いだろう。失業率の低位安定と労働参加率の上昇、賃金上昇が和らぐ可能性は歓迎するが、インフレを目標水準に確定的に戻すには経済がなお過熱していることを懸念しているだろう」とリポートで指摘した。

  統計の発表を受けてドルと米国債利回りは急伸。今後5回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で約200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の追加利上げがあるとの見方を、市場は織り込んでいる。

  数十年ぶりの高いインフレを抑え込もうと、米金融当局は政策スタンスをより積極的にし、6月と7月の会合でそれぞれ0.5ポイントの利上げを決定する可能性を示唆してきた。こうした取り組みが物価圧力を和らげる可能性は高いものの、同時に労働力需要が軟化に向かうリスクを抱える。

  雇用は新型コロナウイルスの感染が拡大する前の水準を回復し、失業率は歴史的な低水準が続いているため、雇用の伸びは今後数カ月において減速するとみられる。この2年間に見られた月間雇用者数の増加が50万人前後という状況は、終わった可能性が高い。

  5月の雇用増は娯楽・ホスピタリティー、ビジネスサービス、教育・ヘルスケアでの着実な人員確保がけん引した。一方、小売りは6万700人減少した。

  建設の雇用はこの3カ月で最大の3万6000人増。しかしローン金利の上昇で住宅需要が減速しており、同業界の雇用はいずれ伸び悩むリスクがある。

  労働参加率は62.3%に上昇した。25歳から54歳までの労働者層の参加率は82.6%と、コロナ禍での最高を記録した。

  手頃な保育施設の確保が難しい状況や早期引退の増加もあり、コロナ禍で多くの働き手が労働市場から去り、労働参加率全体の回復ペースは鈍い。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:Job Growth in US Tops Estimates, Signaling Optimism on Economy(抜粋)

(統計の詳細やエコノミストのコメントなどを追加して更新します)
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