コンテンツにスキップする

エアコン不足にご用心、上海封鎖や物流混乱直撃-今夏は高気温予想も

  • 上新電機では6月予定の一部製品入荷されず、ノジマでも納品遅れ
  • 日立は一部製品で品薄に、富士通ゼネは5月から少しずつ生産再開

暑さが本格化する最需要期を前に、日本でエアコン不足に対する警戒感が強まっている。生産を担う中国主要都市でロックダウン(都市封鎖)の影響が長期化しているほか、物流網の混乱も続き、一部の家電量販店では今後の販売見通しが立たない商品も出始めた。

Inside The Daikin Industries' Air Conditioner Plant Ahead Of Japan's 2nd Quarter GDP Announcement
ダイキン工業のエアコン生産工場(2017年)
Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

  関西を中心に220店舗を展開する家電量販店の上新電機では、6月に予定されていた一部のルームエアコンが入荷されなくなったり、7月の納品計画のめどが立たない製品が出ている。

  商品統括の坂上拓氏によると、中国の上海市で製造されている基幹部品の調達が難しく、エアコンの製造に影響が出ているとみられるほか、製造できても物流の混乱で現地から日本への輸送に通常の2倍かかるケースがあるという。

  坂上氏は、昨シーズンの製品もあるため、「足元ですぐに製品がなくなるということではないが、夏場にお客様に十分な品ぞろえを提供できるかは分からない」と説明。エアコンは「熱中症対策で命にかかわる家電製品。商品確保に最大限努めている」と話した。

  神奈川県を中心に200店舗以上を展開するノジマは、最大限在庫の準備をしているものの、メーカーによっては納品が遅れていることは事実だとエアコン担当の下間一寛氏が明らかにした。さらにロックダウンの影響が長引けば、夏は全国的に品不足になる可能性が高くなると警戒している。

エアコン各社の現地工場が稼働停止

  上海市では3月下旬、新型コロナウイルスの感染防止対策でロックダウンが実施され、ダイキン工業富士通ゼネラルなど大手エアコンメーカーも現地工場の稼働停止を余儀なくされた。

  4月1日に停止し、5月9日に全ラインの稼働を再開したダイキン工の十河政則社長は5月の決算説明会で、中国事業は「大きな影響を受けている」と指摘。人員確保による生産の挽回や物流対策、供給元の支援を通じた部品調達対策など「既に打てる手は全て打っている」と語った。日立製作所の広報担当者は、一部製品は品薄になっていると説明した。

  一方、富士通ゼネではエアコン製造工場の稼働を4月に停止したが、5月に入り少しずつ生産を再開しており、影響は精査中と同社広報担当者は話している。三菱電機の広報担当者は、ロックダウンの影響で一部停止した工場もあるが、他の工場で補っており、現時点で大きな影響ははないという。

Fear of Punishment Keeps Large Parts of Shanghai in Lockdown
ロックダウンで閑散とする上海の高速道路
Source: Bloomberg

  上海市はようやく6月から全ての製造業者が生産を再開することを認めたが、首都の北京市では制限措置下でも1日当たり数十件の感染報告が依然として続き、中国のコロナ対策を巡る不透明感は完全には払拭(ふっしょく)されていない。

代替生産で業績影響は相殺も

  東海東京調査センターの石野雅彦アナリストは、上海のロックダウンで日本での生産比率が相対的に低い富士通ゼネなどは供給網混乱の影響を比較的受ける可能性があると分析。ただし、各社は代替生産拠点を持っており、業績への影響は相殺される可能性があるとみている。

  エアコンの販売は気温動向に左右されやすく、全国的に気温が高かった4月は上新電機で前年比23%増、「ケーズデンキ」を展開するケーズホールディングスでも同33%増と伸びた。半面、中旬にかけて日照時間が平年より少ない日が続いた5月は両社とも低調だったという。

  気象庁が24日に発表した3カ月予報によると、暖かい空気に覆われやすいため、6-8月の平均気温は東日本と北日本で平年より高く、西日本では平年並みか高くなる見通しだ。ケーズHDの広報担当者は、気温や電気代の上昇を受けて省エネモデルへの関心が高いと指摘。エアコン設置業者の数も限られており、猛暑になってからエアコンが動かないということにならないよう早めに対処してほしいと話している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE