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旅行関連株など戻り急、外国人観光客の受け入れ増加-回復先取り

更新日時
  • JALやANAHDの株価2-3カ月ぶり高値、HIS半年ぶり水準
  • 期待先行する株式市場、需要の本格回復は楽観視できないとの声も

27日の東京株式市場で、インバウンド(訪日外国人客)関連株が高い。政府が外国人観光客の受け入れに動き出し、新型コロナウイルスが流行した影響で低迷していた関連需要が回復すると期待した買いが集まっている。

Narita Airport As Japan Halts Entry by New Foreigners on Omicron Fears
コロナの影響を受けた旅行業界もようやく回復期待が高まる.
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  空運のJALの株価は約3カ月ぶりの高値を付け、ANAホールディングスは約2カ月ぶりの高値に水準を切り上げた。旅行会社のエイチ・アイ・エスにも買いが集まり、半年ぶりの高値になった。

  外国人観光客が多く訪れるディスカウントストアを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの上昇率は9%を超える場面があった。訪日客に人気の化粧品の販売が伸びるとの期待も出て、資生堂なども高い。翻訳ソフトなどを手掛けるソースネクストも急伸した。

  岸田文雄首相は26日の講演で、添乗員付きツアーで訪れる外国人観光客の受け入れを6月10日から再開すると公表した。同月1日から入国者数の上限を1日1万人から2万人に引き上げ、陽性率が低い国の入国時検査を免除する方針。株式市場では外国人の受け入れが本格化する期待が高まった。

関連記事:6月10日から外国人観光客受け入れ再開、添乗員付きツアーで

  経済界では首相の表明を歓迎する声が出ている。ANAHD傘下の全日本空輸の井上慎一社長は「 『日本に来たい』というお客様の声を沢山頂戴しておりましたので、朗報です」とコメントした。

  株式市場では、大型連休後の新型コロナウイルスの感染が懸念されたほど広がっていないことが関連株の上昇の背景にあるとの指摘がある。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、受け入れ規模は関連業界の収益に直接影響を与えるほどではないものの、「先を読む株式市場では方向としては良いほうへ向かっているとの期待があるだろう」と述べた。

半年ぶり高値
 
 

本格回復は楽観視できず、為替の影響も限定的か

  インバウンドの多くを占める中国では「ゼロコロナ政策」が続く。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「人の移動に対する中国側の懸念もあると考えられる中、中国からの観光客はまだそれほど見込めないだろう」と読む。飛行時間がかかる欧米からも原油高でサーチャージも上がり、どれだけの人が来日するかは楽観視できないと語る。

  外国為替市場へのインパクトも、現状程度の緩やかな段階的受け入れでは限定的との声がある。バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジストは2019年時点の旅行収支をみても3-4兆円程度にとどまっていた経緯から、「方向としては円高要因ではあるが、影響はかなり軽微だろう。エネルギ-高で貿易赤字になった影響を相殺するには全然足りないイメージ」とみていた。

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