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ブロードコム、ヴイエムウェア買収へ-半導体企業では過去最大

更新日時
  • 買収額7兆7500億円、企業向けソフトで一大勢力になる目標へ前進
  • ヴイエムウェア主要株主のデル氏やシルバーレイクも支持
The Broadcom Ltd. headquarters in Irvine, California.

The Broadcom Ltd. headquarters in Irvine, California.

Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

米半導体メーカーのブロードコムは、クラウドコンピューティングを手掛けるヴイエムウェアを約610億ドル(約7兆7500億円)で買収することで合意した。テクノロジー分野の買収では過去最大級で、企業向けソフトウエアで一大勢力になる目標に向けて前進した。

  26日の発表資料によれば、ヴイエムウェアの株主は1株当たり142.50ドルの現金もしくはブロードコム0.2520株のどちらかを受け取る。買収額はブルームバーグ・ニュースが買収交渉を報じる直前の営業日だった20日のヴイエムウェア株終値を約44%上回る。

  半導体メーカーによる買収では過去最大。ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は一連の買収を通じ、同社を業界最大級で最も多角化された企業に育て上げてきた。近年はソフトウエア分野に注力しており、2018年にCAテクノロジーズ、19年にはシマンテックの企業向けセキュリティー事業を買収した。

  ブロードコムの買収計画は、ヴイエムウェアの主要株主であるマイケル・デル氏やプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社シルバーレイクも支持。ヴイエムウェアが別の買収案を募ることができる「ゴーショップ条項」も盛り込まれている。

  ヴイエムウェアは合意を破棄する場合、ブロードコムに勝る条件を7月5日までに確保しない限り、違約金として15億ドルを支払う。確保できた場合、支払額は7億5000万ドルとなる。ブロードコム側が買収を取りやめるか、規制当局の承認を確保できなかった場合は、ブロードコムがヴイエムウェアに15億ドルを支払う。

  ヴイエムウェアの株価は26日、3.2%高の124.36ドルで終了。ブロードコムは3.6%高の550.66ドルで引けた。

Broadcom Said To Be In Talks To Buy VMware, Which Soars 21%
ヴイエムウェアのロゴ
Photographer: Gabby Jones/Bloomberg

  タンCEOは発表資料で「当社のM&A(買収・合併)の成功実績を積み上げるものであり、われわれの半導体およびインフラのソフトウエア事業をエンタープライズソフトの象徴的パイオニアかつイノベーターと統合するものだ」とコメントした。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、ジェニファー・リー氏は、同買収は「反トラスト法(独占禁止法)上の懸念を生じさせるような取引ではない」と指摘。ただ、「反トラストを巡る現在の状況や、合併審査を強化するという連邦取引委員会(FTC)の使命を考えれば、詳細な調査を受けることになるだろう」と述べた。

  ヴイエムウェアは2004年にEMCに買収されたが、EMCはその3年後、ヴイエムウェアの新規株式公開(IPO)の一環として保有株の一部を売却。16年にEMCを買収したデル・テクノロジーズは昨年、ヴイエムウェアをスピンオフ(分離・独立)した。

  ブロードコムは買収資金を調達するため、銀行団から新たな320億ドル相当のデットファイナンスの確約を取り付けた。買収手続きは同社の2023年度(23年10月終了)に完了の見込み。ヴイエムウェアの純負債80億ドルも引き継ぐ。

  今回の買収合意を巡り、ヴイエムウェアはゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースをアドバイザーに起用。ブロードコムはバークレイズ、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、クレディ・スイス、シティグループ、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴを起用した。

ブロードコムがヴイエムウェアを約610億ドルで買収へ
Markets: The Close.”

原題:Broadcom to Buy VMware for $61 Billion in Record Chip Deal (1)(抜粋)

(合意内容などの情報を追加して更新します)
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