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ドル・円下落どこまで、米金利上昇に一服感-125円割れると121円台も

  • 典型的な調整パターン入りでバイアスは円高方向-大和証
  • 9週連続上昇後の「自律反落の範ちゅう」と三菱モルガン

ドル・円相場の調整がどこまで深まるかに市場の関心が集まっている。米国の景気後退懸念を背景に米長期金利上昇の一服感が強まる中、1ドル=125円までは調整の範囲との見方がある一方で、抜ければ121円台までの下落を予想する向きもある。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、米景気の先行きリスクが懸念される中、「米金利上昇圧力の後退ないしは低下幅拡大が意識される局面ではドル・円も新たな下値ポイントを探る展開になる」と指摘。アベノミクス相場下の2015年高値の125円85銭前後が「サポートに転換するか」が注目で、下抜けると「125円を維持ができるかが焦点になる」と話す。  

125円維持が焦点
 
 

  ドル・円は5月9日に131円35銭と約20年ぶり高値を付けて以降、3%超下落し、24日には一時126円36銭と4月18日以来の安値を付けた。この間、米10年債利回りは3年半ぶり高水準の3.2%から2.7%台に低下。米金融当局の金融引き締めが景気後退を招くとの懸念が背景で、ブルームバーグの米エコ・サプライズ指数は8カ月ぶりに経済指標の予想比下振れが多いことを示すマイナスに転じている。

  「チャートを見ると典型的な調整パターンに入ってきている」。大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、日足一目均衡表で遅行線がローソク足を下回り、基準線の上昇が止まり転換線が上から下に抜けている点を挙げ、「バイアスはかなり円高方向にかかっている」と指摘。「125円台は見に行くことになる」とし、3月28日高値の125円09銭を下抜けすると3月31日安値121円28銭まで下値の目標が広がると分析する。

  一方で、ドル・円が本格的な下落トレンドに転じたとみる向きは少ない。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、今のドル・円下落は5月にかけて9週連続で上昇した後の「自律反落の範ちゅう」であり、3月安値からの上昇の38.2%押しの125円前後までの下げであれば、「トレンドが変わったという判定にはならない」と話す。

  同氏は、同半値押しの123円を割り込むと130円が遠のいた感が出てくるが、「リセッション入り懸念が杞憂(きゆう)に終わることを前提にすれば、どこかで株安も止まり、6、7月の0.5ポイントずつの利上げで米短期金利が上がっていくなら、米長期金利もそれほど下がらない」と予想。投機筋の持ち高調整でドル・円は下がっても「日本の基礎収支の需給環境はまだドル買い・円売りが有利で、米景気への過度の警戒感が和らいでくれば、130円台戻しを狙うような展開になっていく」とみる。

  みずほ証券は25日までに6月末のドル・円予想を133円から128円に引き下げた。山本雅文チーフ為替ストラテジストは、米株価の調整が想定以上に長引きかつ大幅となり、米株安が米金利低下と米景気後退懸念にもつながったことから、地合いが悪化したと説明。もっとも、今後の米景気の拡大と米利上げの継続見通しが確認されれば、年後半には再び上昇基調に戻るとし、来年3月末136円との予想は維持している。

  

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