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ウォール街モデル崩壊、100年債60%急落の理由-コースター理論

更新日時
  • ジェットコースターの設計者になじみの深い数学をコメルツ銀は活用
  • 「デュレーションとコンベクシティの概念に今や裏切られる状況」

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世界の債券市場が今年に入り数十年ぶりの急落ショックで動揺する中で、一部の超長期債がウォール街の通常モデルの予測を上回るフリーフォール(価格の急降下)に見舞われた。

  コメルツ銀行のマネジングディレクター、ジェシカ・ジェームズ氏にとって、それは驚きではなく、むしろ自分たちのモデルの妥当性を実際に確認するものとなった。

  ジェームズ氏と同僚らは、金融アナリストよりジェットコースターの設計者になじみの深い数学を活用し、最長満期100年の債券相場軌道を予想する斬新な手法を採用してきた。

  ネットの情報拡散に呼応して売買された「ミーム銘柄」のように超長期債の価格が一つ一つ崩壊し、想定したシナリオがリアルタイムで実現する様子を彼らは見守った。

  2117年満期オックスフォード大学債の価格は49%下げ、 2119年満期のドイツ・ノルトライン・ウェストファーレン州債の価値は半分になった。さらに世界で最も格付けの高い国の一つ、オーストリアの2120年満期国債も63%急落した。 

  ジェームズ氏は「低いスタート利回りと非常に長い満期、利回りの大幅上昇という現状は、悪い条件が重なる最悪の状態だ。デュレーションとコンベクシティというなじみの概念がわれわれを裏切り始める環境に今や置かれている」とインタビューで指摘した。

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ジェシカ・ジェームズ氏
Source: Commerzbank AG

  伝統的な債券価格モデルは、金利変動に対する債券価格の感応度の指標、デュレーションの精度を補完するコンベクシティの概念に基づいている。

  しかし、利回りが急上昇する局面で、超長期債について誤差の範囲がはるかに大きくなることが判明し、過去10年で発行が増えた100年債は苦しい状況に置かれる。

  「デュレーションとコンベクシティの理解から投資家が持つかもしれない期待は、それほど有効でなくなり、判断を誤らせることさえあり得る」とジェームズ氏は語った。

Beyond Convexity

Convexity underestimates losses from century bond yield spike

Source: Commerzbank

Note: Shows actual and approximate price changes assuming bond were bought at the worst time to generate largest yield delta.

原題:

A 60% Drop for World’s Longest Bonds Shatters Wall Street Models(抜粋)

(コメルツ銀ジェームズ氏の発言などを追加して更新します)
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