コンテンツにスキップする

北朝鮮がICBMと短距離ミサイル発射、米大統領の日韓訪問直後

更新日時
  • ICBMは最高高度約540キロ、約360キロ飛行と推定-韓国
  • 日本のEEZ外に落下、「国際社会の平和と安定を脅かす」と防衛相

北朝鮮は25日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と短距離弾道ミサイルとみられる3発の飛翔体を発射した。韓国軍が発表した。バイデン米大統領は韓国と日本の訪問を終えたばかりで、両国訪問時には北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が突きつける安全保障上の脅威について議論していた。

  韓国軍合同参謀本部の発表によれば、ICBMと推定される飛翔体は最高高度約540キロに達し、約360キロ飛行した。2発の短距離ミサイルも発射され、1発は約760キロ飛行し、高度は約60キロだった。

  今回のICBMは、北海道西方の日本海に落下した3月のもの(高度6200キロ、飛行距離1080キロ)に比べると、高度・飛行距離ともかなり短い。

The Firing Line

Types of ballistic missiles tested by North Korean leader Kim Jong Un

Sources: South Korean Defense Ministry, Center of Nonproliferation Studies

NOTE: Suspected ICBM test on March 16, 2022, ended in failure

  韓国は国連安全保障理事会の決議に違反し、朝鮮半島や国際社会の平和を脅かす重大な挑発行為だとして北朝鮮を強く非難した。挑発行為を続ければ、韓国と米国の合同抑止力が速やかに強化される結果になることは不可避だとも指摘し、北朝鮮に朝鮮半島の平和に向けた交渉に応じるよう強く求めた。

   岸信夫防衛相は「国際社会の平和と安定、安全を脅かすものであり断じて許容できるものではない」とし、北朝鮮に抗議した。ミサイルはいずれも日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下した。

  ホワイトハウスによると、バイデン大統領は発射について説明を受けた。米軍は今回のミサイル発射が同国に差し迫った脅威ではないとの見解を示した。

  北朝鮮は通常、翌日まで発射に関してコメントしない。北朝鮮による今年のミサイル発射は記録的ペースで、米国の迎撃を回避し同国とアジアの同盟国に対する核攻撃の脅威を高めることを狙ったさまざまなミサイルの発射実験を繰り返している。

North Korea Cuts Malaysia Ties After Citizen Extradited to U.S.
北朝鮮の国旗(クアラルンプール、2021年3月20日)
Photographer: Samsul Said/Bloomberg

  米ランド研究所の政策アナリスト、スー・キム氏は「金総書記はバイデン大統領のアジア訪問後に沈黙したままであることは北朝鮮の性格に合わないと判断したのだろう」と指摘。米韓首脳会談の成功や、北朝鮮との交渉に米国の熱意が乏しい現状を踏まえ「金総書記は兵器能力を強化し誇示する決意を示し続けるだろう」と語った。

  バイデン米大統領は20-24日、韓国と日本を訪問していた。米政府が前後数日間にミサイル発射実験か核実験、あるいは両方を行う可能性があるとの見方を示したほか、再びICBM試射の準備をしているようだと韓国政府の当局者が指摘していた。

  北朝鮮は12日にも短距離弾道ミサイル3発を発射していた。3月に2017年以来初のICBMを試射し、朝鮮半島情勢はここ数年見られなかったレベルまで緊張が高まっていた。

  金正恩朝鮮労働党総書記は4月25日夜に行った軍事パレードの演説で、核戦力の強化を急ぐと表明。過去6回の核実験を実施した豊渓里の施設でトンネルを修復するような動きも見られている。

  松野博一官房長官は、北朝鮮の今後の対応について「核実験の実施を含めさらなる挑発行為に出る可能性がある」とし、米国とも連携しながら情報収集や警戒監視に全力を挙げると語った。

(関連情報を追加します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE