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脱炭素に向け新たな国債発行へ、制度設計や償還財源確保が課題に

  • 20兆円の政府資金を「GX経済移行債」で調達へ-岸田首相
  • 首相官邸に今夏「GX実行会議」を設置、具体化に向け議論

岸田文雄首相は19日、首相官邸で開いた「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会で、脱炭素の加速に向けた資金を確保するための新たな国債を発行する考えを表明した。今後は、制度設計や償還財源をどう確保するかが課題になるとみられる。

Japan Prime Minister Fumio Kishida News Conference
岸田文雄首相
Source: Anadolu Agency

  政府は、2050年のカーボンニュートラル目標を掲げており、達成には官民一体となった取り組みが欠かせない。経済産業省が13日にまとめた、クリーンエネルギー戦略の中間整理では、今後10年間で脱炭素関連の投資が150兆円になるとの試算が示された。

  岸田首相はこの試算を踏まえつつ「裏付けとなる将来の財源を確保しながら、20兆円とも言われている必要な政府資金をGX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債(仮称)で先行して調達し、速やかに投資支援に回していくことと一体で検討していく」と述べた。

  今夏に官邸に「GX実行会議」を設置し、具体化に向けた議論を進める考えも示した。  

  SMBC日興証券の森田長太郎・チーフ金利ストラテジストは20日のリポートで「通常の国債と同様な入札方式を採るのか、引受方式とするのか、使途限定の詳細なスキームをどのように設計していくかなど、具体的にはこれからの議論となる」と、今後の課題に言及した。

  一方、大和証券の尾谷俊シニアストラテジストは同日のリポートで、「日本政府の方針がユニークな点はトランジション(移行)を意識した点だ」と指摘。「まずは、この実効性や具体性が注目される。いずれにせよ、サステナブルファイナンス市場の拡大に大きく寄与しそうだ」と分析している。

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