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インフレに強い日本債券でも世界の投資家を失う、日銀政策転換も警戒

  • 海外投資家は今年に入って日本債券を2.2兆円売り越し
  • 投資家は日銀の政策転換が大きな損失につながることを警戒

インフレに強いという伝統を持つ日本の債券でさえ、世界の債券投資家からの人気を失いつつある。

  財務省のデータによると、昨年末以降、海外投資家は日本の中長期債を約2.2兆円売り越した。このペースが続けば、今年は日本銀行の黒田東彦総裁が就任した2013年以来、最大の年間流出額となる。

  昨年は世界的なインフレ懸念の高まりから、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)による安定に惹かれ、海外投資家は過去最高となる12.5兆円の日本の債券を買い越した。

米国債上回るリターンでも
 
 

 

  一方、今年は、日銀が利回り上昇の抑制に成功したことが資金流出の主な要因になっている。10年国債の利回り上昇を抑えるための無制限の国債買い入れは市場の流動性を奪い、20年ぶりの円安で為替不安もあおった。

  また、海外投資家は、日銀のYCCが廃止された場合、政策の転換が大きな損失につながる可能性があることを警戒している。

  ブランディワイン・グローバル・インベストメントのポートフォリオマネジャー、トレイシー・チェン氏は、前回、日本国債に投資したのはいつだったか覚えていないと言い、「今のところ、他の場所にもっと良い機会があると思う。実質利回りは魅力的でなければならないし、相対的な価値も必要だ。2023年にYCC政策が消えていくリスクもある」と言う。

  世界的に債券利回りが上昇する中、日銀はここ数カ月で金融緩和を強化してきた。4月には10年国債の利回りが日銀の許容する上限0.25%を超えないよう、無制限の国債買い入れを毎営業日実施することを決めた。日本証券業協会が20日に公表したデータによると、海外投資家は同月に長期国債を2.75兆円と過去最大規模で売り越している。

 

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