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【コラム】株価急落は新たな段階か、市場機能の崩壊懸念-エラリアン

  • 金利上昇不安などに代わる主役が運転席にいる証拠がそろいつつある
  • 流動性得るためだけに投資家が切迫度の低い資産売却を迫られる恐れ

Stock prices remain vulnerable.

Stock prices remain vulnerable.

Photographer: Spencer Platt/Getty Images

今週の株式相場の下げは、2022年に投資家に既に痛みをもたらした売りの単なる延長ではないかもしれない。それどころか、株価急落が新たな段階に入ったかもしれない兆しすら見える。

  これは年初来の下落幅をさらに増幅させるだけでなく、まだ高い確率でないとしても、実体経済に重大な影響が及びかねない市場機能崩壊の可能性を高めるものだ。

  18日の株価急落に伴い、主要株価指数の年初来の下落率はS&P500種株価指数が17.7%、ダウ工業株30種平均が13.3%、ナスダック総合指数が27%に達した。

  これらの下げの当初の要因は、金利上昇と金融情勢の全般的な引き締まりへの懸念という金融サイドからのものだった。だがこの二つはほぼ影響力を失い、新たな主役が運転席にいる証拠がそろいつつある。

  18日の急落には、最近の市場の動きと区別される二つの特性がある。まずウォルマートとターゲット主導で消費関連銘柄が著しくアンダーパフォームした。債券相場は売り局面の初期段階のように下げるのではなく、むしろ上昇した。

  この二つの特性はいずれも、成長と企業利益を巡る不安が、市場の反応を引き起こすより大きな誘因になりつつある状況と合致する。

  今週はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がよりタカ派傾向の強い発言を行ったことに加え、ターゲットは、持続的なコスト圧力に付随して、売り上げサイド、より広い意味では、消費者が高インフレを乗り切る能力に懸念が生じている現状を示唆した。

  流動性の低下が投資を再配置する能力を妨げる市場機能の崩壊というリスク要因は、まだ表れていないが、可能性は高まっている。

  市場機能のストレスは、投資家の信頼感を低下させるだけにとどまらず、二つの感染源に火を付ける。一つは消費者心理だが、もう一つは、流動性を得るためだけに投資家が切迫度のそれほど高くない資産の売却を迫られたり、より慎重な企業の行動で景気が損なわれたりする全体への波及効果だ。

  今週の市場の動きが、終わりが近い急落局面の延長であると願うが、それだけで済まない現実のリスクがある。相場をさらに押し下げ、市場機能のストレス発生の可能性を高めかねない新たな段階に入ることもあり得る。

(モハメド・エラリアン氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:

Stock Selloff May Be Entering a New Phase: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

    This column does not necessarily reflect the opinion of the editorial board or Bloomberg LP and its owners.

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