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フォワードガイダンスの緩和バイアス「維持が適当」-日銀総裁

更新日時
  • 物価上昇は持続力欠く、金融緩和の縮小が適当とは考えていない
  • 物価2%安定に賃上げ不可欠、持続可能な名目賃金上昇は3%程度

日本銀行の黒田東彦総裁は13日、政策金利のフォワードガイダンス(指針)の緩和バイアスは「維持することが適当」との認識を示した。内外情勢調査会で講演した。

  現在のフォワードガイダンスは「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している」となっている。総裁は金融政策運営について、強力な金融緩和によって景気の回復を支えることが必要とし、「現在の金融緩和を縮小することが適当とは考えていない」と語った。

  4月に国債を無制限に買い入れる指し値オペを長期金利0.25%で原則として毎営業日実施する方針を決めた理由に関しては、オペの有無から「先行きの政策スタンスを推し量ろうとする動きも見られていた」と説明。運用の明確化によって市場の安定性が確保されるとの期待感を示した。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Appears at Committee on Financial Affairs
黒田東彦日銀総裁
Source: Bloomberg

  最近の資源価格の上昇は実質所得の減少を通じて国内需要にマイナスの影響を与え、目先2%程度まで物価上昇率が高まるものの、「エネルギー主導であり、持続力を欠く」と指摘した。持続的・安定的な2%の実現には賃上げが重要と強調。賃金がしっかり上昇すれば物価上昇にも広がりが伴ってくるとし、「生産性と物価の上昇率と整合的で、持続可能な名目賃金の上昇率は3%程度になる」と述べた。

  日本経済は感染症による大きな落ち込みからの回復途上にあり、「感染症は依然として経済の下押し要因として作用している」とみている。上海など中国でのロックダウンによる物流網の混乱が、自動車関連を中心に日本の輸出・生産を「供給面から制約し始めている点には注意が必要」とも語った。

  資源価格の高騰などを背景に米欧の中央銀行が相次いでインフレ対応に乗り出す中、金融緩和を継続する日銀との政策の方向性の違いが意識され、外国為替市場では一時、20年ぶりとなる1ドル=131円台まで円安が進んだ。今後、エネルギーを中心に日本の消費者物価も2%程度に上昇率を高める見通しで、市場には日銀の政策修正に対する思惑もくすぶっている。

他の発言

  • 感染症やウクライナ主因に当面下振れリスク大きい-経済
  • 物価が欧米とは全く異なることを改めて強調しておきたい
  • 為替市場含めた国際金融資本市場が不安定化するリスクも
  • 2%程度へ高まるが品目間の広がり乏しい-22年度物価
  • 中長期のインフレ予想が急激に上昇しているわけではない
  • 基調的な物価上昇率高まるために「広がり」と「持続性」 必要
  • 実質賃金や実質所得が増加し物価も上昇する好循環が必要
  • 不確実性高い、さまざまなデータ幅広く点検して金融政策を運営
  • 日銀は政府が経営を支配している法人ではない
  • 為替相場の急激な変動は経済にマイナスの影響
  • 短期間で過度な変動は望ましくない-為替
  • 為替変動の影響は変化し得る、きめ細かく点検していく
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