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トヨタは今期2割営業減益に、原材料価格上昇が直撃-株価下落

更新日時
  • 「過去に例がないレベル」の資材高騰影響、20年ぶり円安も大幅減益
  • 通期の為替レートは1ドル=115円を想定-足元の相場より円高想定

トヨタ自動車は11日、今期(2023年3月期)の営業利益は前期比20%減の2兆4000億円になる見込みだと発表した。市場予想を大幅に下回る。業績予想の前提となる為替レートの想定を保守的に見積もったほか、円安効果を打ち消す急激な原材料価格の高騰が利益を圧迫する。

Toyota Motor Head Office as Automaker Idles Japan Plants on Suspected Cyberattack at Supplier
トヨタの東京本社(東京都文京区、5月1日)
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  ブルームバーグが事前に集計したアナリスト20人によるトヨタの今期営業利益の予想平均値は3兆3724億円だった。トヨタの発表資料によると、今期の為替レートは1ドル=115円と足元の130円前後と大きく異なる水準を想定。前期は112円だった。1ユーロは130円(前期131円)を想定している。

  トヨタ広報担当の橋本史織氏によると、トヨタの今期の営業利益は1円の円安で対ドルで450億円、対ユーロで60億円増加すると想定されている。

  トヨタの決算資料によると、今期は急激な資材価格の高騰の影響が1兆4500億円の減益要因となり、同社が得意とする原価改善努力による3000億円の押し上げ効果を大きく上回る見込み。

  トヨタの近健太副社長兼最高財務責任者(CFO)は同日のオンライン記者会見で、今期の資材高騰の影響は「過去に例がないレベルとなっている」と指摘。6400億円と過去最高となった前期の影響の倍以上の水準で「非常に大きい影響だ」と語った。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、トヨタの今期営業利益予想は「数字としては想定を大きく下回る」とし、為替、販売台数や資材高騰の影響などについて保守的な前提が置かれていると指摘。減益要因となる資材高騰の影響は巨額なため、直近で1ドル=130円前後で推移する為替相場の「追い風が通期を通じて吹き続ければ、何とか前年度並みの利益水準」になるとの見方を示した。

プラスとマイナス

  今期の連結世界販売台数見通しは前期比7.5%増の885万台。ダイハツ工業や日野自動車も含めたグループ全体では同3.1%増の1070万台を見込む。

  決算会見に同席したトヨタの長田准執行役員は、自動車市場の動向を予測することは今期は「いつも以上に難しい」との考えを示した。コロナ禍からの回復が世界全体では大きなプラス要因となる一方、インフレやロシア・ウクライナ情勢、半導体不足の影響があり、「プラスとマイナスが混ざりながら今期は進行していくのではないか」と語った。

  トヨタは発行済み株式総数の1.02%相当、2000億円を上限に自己株式を取得することも発表した。取得期間は6月17日から9月30日までとしている。

  業績発表を受けてトヨタの株価は下落幅が拡大し、一時前日比5.9%安の2050.5円と3月22日以来の安値を付けた。終値は4.4%安の2082円だった。

  世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品サプライチェーン(供給網)の混乱は長期化しており、自動車各社による工場停止や生産調整は依然として続いている。トヨタも前期(22年3月期)に度重なる生産計画の変更で取引先や従業員に大きな負担をかけた反省から、4-6月を「意思ある踊り場」と位置付け、抑制的な生産体制を取っている。

  トヨタの決算資料によると、今期のトヨタと高級車ブランド「レクサス」ブランドの生産台数見通しは前期比13%増の計970万台と、前期の期初計画(930万台)を上回る水準まで回復を見込んでいる。

23年3月期業績予想
  • 売上高:前期比5.2%増の33兆円(市場予想34兆7247億円)
  • 営業利益:20%減の2兆4000億円(市場予想3兆3724億円)
  • 純利益:21%減の2兆2600億円(市場予想3兆209億円)

 

(会見での発言などを追加して更新します)
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