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ESG評価銘柄に輝き、株価堅調で反発力にも強さ-投資ヒントに

  • 上位銘柄群は年初来株価パフォーマンスでTOPIXを上回る
  • 長期保有に適し、今後も相対的に選好される-三井住友TA・上野氏

株式市場では年初来、ESG(環境・社会・企業統治)評価スコアの高い銘柄の株価パフォーマンスが高く、特に最近の相場反発局面で強さが目立つ。ウクライナ侵攻やインフレ懸念で難しい投資環境が続く中で、収益機会を探るヒントになりそうだ。

  東証株価指数(TOPIX)の構成銘柄のうち、ブルームバーグが算出したESG開示スコアを保有する1819社を評価が高い順に1から5のグループに分け、株価の動き(累積パフォーマンス)を調べた。各グループの構成銘柄数は約360で、評価が上位のグループ1とグループ2は年初来パフォーマンスが高く、TOPIXも上回っている。

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Source: Bloomberg

  グループ1とグループ2のパフォーマンスの高さは年初からウクライナ侵攻前の2月前半までの期間でグループ3以下を常に上回った。ウクライナ情勢の悪化やインフレ懸念で日本株の方向感が定まらない中、3月上旬の下落局面では、ESG評価の高い銘柄からも資金が大量に流出したが、その後の株価回復力が顕著だ。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「3月安値の際には日本株全体が投げ売られ銘柄間に格差はなかったが、相場が戻る際は常にリバウンドがどこまで長期化するかが不透明なため、ESGスコアが高いなど安心・安全な優良銘柄が選好される」と指摘。ESG高評価の銘柄群は「情報開示などESGが求める条件に対応できるだけの余裕が経営にあり、ESGに関心を持つ海外投資家への目配りもできている」とも話した。

長期的にもESGスコア最上位が優勢

ESGスコア別の株価累積パフォーマンス推移(18年度以降、月次)

ブルームバーグ、東京証券取引所

TOPIX(東証株価指数)の構成銘柄のうちブルームバーグがESG開示スコアを付与した1819銘柄をスコア順に5グループに分け、累積パフォーマンスを算出。ランキング変動による構成銘柄の見直しは月次で実施

  長期株価パフォーマンスからもESGへの関心の高まりがうかがえる。2020年10月に菅義偉首相(当時)が50年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすると表明した後からグループ1の株価パフォーマンスは急速に伸びている。

  大和証券の阿部健児チーフストラテジストは4月13日付リポートで、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が現在採用するMSCIなど三つのESG指数全てに採用されている保険、医薬品、鉱業などの95銘柄は各評価機関が提供するESG評価が高く、株価もTOPIXをアウトパフォームしていると分析。菅前首相の脱炭素表明から 1 年半以上が経過し、脱炭素を目指す動きは幅広い業種で定着しつつあり、ESG資金の流入は当面継続するとの見方を示した。

  株式市場は金融引き締めやウクライナ情勢などでしばらくは手放しで喜べるような相場局面ではないと話す上野氏も、これからの難局に耐えうる銘柄は「ESGスコアが高い大型の国際優良株だ。銘柄クオリティーが高いため、長い目でみれば市場全体がマイナスでも保有に適しており、今後も相対的に選好される状態が続くだろう」と語った。

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