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プライム指数は1日1回更新の「ほぼTOPIX」-市場再編1カ月

  • 初日を100としたプライム指数とTOPIXは2日時点で同じ97.17
  • 売買代金にも大きな違い見られず-再編前との変化乏しく

東京証券取引所の約60年ぶりの市場再編から1カ月が経過し、新市場の片鱗が見え始めた。目玉となった東証プライム市場の指数パフォーマンスはTOPIXと動きがおおむね変わらないなど、市場再編前との実質的な違いの乏しさが確認されつつある。

  市場再編がスタートした4月4日の終値を100として新たに発足した3市場の指数のパフォーマンスを検証すると、5月2日時点で東証プライム市場指数は97.17とTOPIXの97.17と変わらず、東証グロース市場指数は84.72と東証マザーズ指数の84.35に近い動きを示した。東証スタンダード指数は95.93だった。

プライム指数とTOPIXはほぼ重なる
 
 

 

  三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「時価総額の絞り込みで踏み込んでいないのであまり指数の動きは変わらないだろうと思っていた」とした上で、再編直後のパフォーマンスを見る限りでは「プライム指数とTOPIXは『ほぼ同じ指数』ということだ」との見方を示す。

市場再編の詳細についてはこちらをご覧ください

  プライムが旧東証1部と変わらないのは指数のパフォーマンスだけではない。プライム市場の銘柄数(1838)は東証1部市場(3月末2176)から340近く減少したものの、プライム市場の1日売買代金はTOPIXに比べて140億-160億円程度の減少にとどまっている。日々2兆円超の売買代金から考えれば影響度は1%以内で、売買エネルギーの面でも旧東証1部と比べて大きな違いはない。

  一方、改革後で大きく変わったのは、指数の更新頻度が取引終了後1日1回になった点だ。プライム指数とグロース指数はある程度類推できるものの、ジャスダック指数と2部指数が廃止された後のスタンダード指数は見えづらい。リブラ・インベストメントの佐久間康郎社長は「市場分析にとって場中が出ない指数は意味がない。市場活性化という再編の目的がすっかり抜け落ちている」と市場と取引所の温度差を指摘する。

  日本取引所グループ(JPX)傘下のJPX総研の三浦崇宏インデックスビジネス部長によると、3市場指数をリアルタイムとしなかったのは、市場全体を投資対象とするような運用ツールに使われるものではなく、統計資料として出すため。指数公表後にリアルタイムの要望が寄せられたことから、現在は「リアルタイムの方向でスピード感を持って検討中」としている。

  今回は市場全体と株価指数を切り離した改革ではあるものの、新指数がリアルタイムで値動きが確認できない状態が長期化するなら、「TOPIXやマザーズ指数で事足りるとして市場の関心度はどんどん下がっていく。ほとんど活用されないままとなりかねない」と、三井住友DSアセットの市川氏は言う。

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