ロシア産エネルギー禁輸なら英国のインフレ悪化へ-英中銀のピル氏
Philip Aldrick-
英中銀はインフレが10月に10.2%でピーク予測も、「上振れリスク」
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英労働市場は一段とひっ迫へ、インフレが自律的になるリスクを認識
欧州がロシア産エネルギーを完全に輸入禁止とした場合、英国のインフレ率は予測されている40年ぶりの高水準からさらに押し上げられる可能性がある。イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミストを務めるヒュー・ピル氏が指摘した。
ピル氏はCNBCに対し、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁措置を欧州連合(EU)が強化し、ロシアから輸入する石油と天然ガスを対象に含める場合、消費者物価の「上振れリスク」になると述べた。
英中銀の予測によれば、英国のインフレ率は10月に10.2%でピークを付ける。実現すれば、1982年以来の高水準となる。この予測はエネルギー価格の安定を前提としており、ロシア産ガス・石油が禁輸となる場合には前提が崩れる可能性があると、ピル氏は説明した。

ヒュー・ピル氏
Photograpger : Hollie Adams / Bloomberg
同氏は国内労働市場の逼迫(ひっぱく)がさらなるインフレ高進を招く恐れがあるとの見方も示し、賃金の上昇ペースは英中銀がわずか3カ月前に示した予測よりもずっと速いと指摘した。国内要因でインフレ圧力が高まる可能性があるという。
「労働市場の力強さに驚くとともに、一段の逼迫を見込んでいる」と発言。「つまり二次的な効果が発生している。インフレがより自律的になるリスクがあり、われわれはそれを防ぐ必要がある」と、ピル氏は主張した。
原題:Russian Energy Ban Would Worsen U.K. Inflation, BOE’s Pill Says(抜粋)
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