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野村HDのリテール事業の利益、大和証G下回る-改革は道半ばとの声

  • 大和証Gが野村HDを上回るのは少なくとも過去10年で初めて
  • 野村はウェルスマネジメントへの移行速度速める必要-ジェフリーズ

2022年1-3月期(第4四半期)連結決算で、野村ホールディングスの国内リテールを担う営業部門の利益が、少なくともここ約10年で初めて大和証券グループ本社を下回った。アナリストからは、野村HDは同部門の競争力を高める必要があるとの見方が出ている。

  ジェフリーズ証券は、野村HDの営業部門は市場の混乱に対する耐性を強めるため、ウェルスマネジメントへの移行をより積極的に進める必要があると指摘。モーニングスターはデジタル化などの分野で取り組みを強化すべきだとの見解を示す。

Views of Nomura and Daiwa Securities Ahead of Earnings Announcement
野村証券のロゴ
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  野村HDが4月26日発表した第4四半期の営業部門の税前利益は前年同期比8割減の52億円に落ち込み、通期でも36%減の592億円となった。

  電話会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は、前期(22年3月期)決算について「かなりいろいろな特殊要因があった」と説明。「地政学リスクや金利動向の不透明感はしばらく続く」とも述べた。

Falling Behind

Nomura's retail business profit trails behind Daiwa's for first time in years

Source: Company earnings statements

  一方、大和証Gが同27日発表した同四半期のリテール部門の経常利益は67億円と、少なくとも11年4-6月期以降で初めて野村HDの営業部門の税前利益を上回った。

  佐藤英二最高財務責任者(CFO)は電話会見で、株式相場の大幅調整を受けてもこの水準の利益を確保することができたと強調。「これまでの資産管理型ビジネスモデルへの転換とコスト構造改革」が功を奏したとし、「戦略の方向性は間違っていなかった」と述べた。

Views of Nomura and Daiwa Securities Ahead of Earnings Announcement
大和証券のロゴ
Source: Bloomberg

  ジェフリーズの伴英康アナリストは、野村HDのリテール営業改革は「道半ば」だと指摘。安定収益を増やすため、売買手数料(コミッション)にひも付かないストック資産・収入の拡大に努めてきたが、その取り組みを「加速させる必要がある」と述べた。

  米モーニングスターのアナリスト、マイケル・マクダッド氏は、野村HDの経営陣はコアとなるリテール事業に重点を置くべきだと思うが、ホールセール部門の強化に注力し過ぎていると指摘。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)などの影響で、個人投資家によるオンライン証券取引が増えているため、野村HDはこの分野で改善を進める必要があるとの見方を示した。

  また、リテール事業でのウェルスマネジメント事業への移行は、大和証Gの方が野村HDより若干スピードが速いとマクダッド氏は指摘した。

  日本格付研究所(JCR)の阪口健吾アナリストは、野村HDの営業部門の株式仲介手数料の割合はまだ高く、第4四半期のように「市場が大きく動いたとき、影響を受けやすい」と指摘。「ストック収入の比率をこれまで以上に高めていく必要がある」と述べた。

  野村HDの杉山剛営業部門長は、電子メールで「証券業界のリーディングカンパニーとして、コンサルティングを主体としたサステナブルなビジネスモデルへの転換を引き続き推進する」と説明。顧客の満足度の向上により「資産形成への意識が高まることで、証券人口が拡大し当社の収益拡大にもつながると考えている」としている。

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原題:Nomura Strategy in Focus After Retail Business Loses to Daiwa(抜粋)

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