日本株は反発、金利上昇やインフレの恩恵期待-金融や資源関連が高い
長谷川敏郎
更新日時
東京株式相場は反発。米金融引き締めが経済に与える悪影響の懸念が残る中でも、金利上昇やインフレの恩恵を受ける銘柄への見直し買いが優勢になった。成長株よりも割安株への資金流入が目立った。銀行や保険など金融株が値上がりし、商社や非鉄金属といった資源関連の上昇率が大きかった。機械や輸送用機器株も堅調で、陸運や空運株には経済再開を期待した買いが入った。
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市場関係者の見方
JPモルガン・アセットマネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
- 株式市場でリスクオフ一辺倒の印象はない。米国のインフレや景気悪化の懸念がぬぐえない中でも、インフレや金利上昇に強い資源関連株や金融株は上昇している
- 業績面をみても国内企業は投資家の想定よりも慎重な見通しを示すだろうが、投資家はある程度想定しているため発表後に株価が大きく下げる展開にはならないと思う
- もっとも投資家としては、米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したからといってリスクを取れるということはない。雇用統計や米消費者物価指数(CPI)などで賃金・インフレを確認する待ちの姿勢に移行している
三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジスト
- 水際対策の緩和でインバウンドが回復するという期待が盛り上がってくると、コロナからの経済回復で日本の出遅れた部分が株価にとってはプラス材料になる
- 日本はウィズコロナという点ではかなり厳しい状況が続き、米国などと比べて経済の回復ステージなどがかなり遅れていた
東証33業種
上昇率上位 | 鉱業、電気・ガス、石油・石炭製品、空運、銀行、陸運、卸売 |
下落率上位 | サービス、情報・通信、その他製品、証券・商品先物取引 |
背景
- 首相が資産所得倍増に意欲、NISA抜本的拡充-水際対策も緩和
- 米長期債利回りが急伸、10年債利回り3%上回る-金融政策巡る懸念で
- FOMC、0.5ポイント利上げ-FRB議長は同幅利上げ継続を示唆
- 英中銀、政策金利1%に上げ-10%インフレとマイナス成長予想
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